インバウンドイベントとは?開催の流れやアイデア・事例を紹介



世界情勢の変化から、日本を訪れる外国人観光客(インバウンド観光客)の数は増加傾向にあります。そのため、彼らのニーズに応えるサービスを提供できれば、地域や経済活動の活性化につなげられるでしょう。
本記事では、インバウンドイベントについて、企画するためのステップや事例、アイデア、ポイントを解説します。
和モダンな内装、500人規模のアクティビティスペース、配信・演出設備が揃ったリーズナブルな東京のレンタル施設「IKUSA ARENA」
インバウンドイベントとは
インバウンド(inbound)とは、英語で「本国行きの」という意味を表し、観光業においては海外から日本に訪れる観光客や、その消費行動を指します。インバウンドイベントは、訪日観光客をターゲットにしたイベント全般を示す言葉です。
2024年の訪日外国人旅行者は3,687万人で、2023年の2,507万人に比べ大きく数を伸ばしています。これは新型コロナウィルスの収束や円安の影響から、日本への旅行者が増えているからだと考えられます。数を伸ばし続ける訪日外国人旅行者の需要に応えることで、地域の雇用創出や観光産業の所得向上といった経済活動の活性化が見込めると注目を集めています。
インバウンドイベントを行うための5ステップ
インバウンドイベントを行うための5ステップを紹介します。
1.目的・ペルソナを設定する
はじめに、イベントを開催する目的とターゲットとなるペルソナを明確にしましょう。
目的とペルソナの例は以下のような内容が考えられます。
- 目的:イベントで集客し宿泊や購買活動につなげ、地域経済を活性化する
- ペルソナ:英語圏の30代男性、アニメ文化に関心がある層
目的とペルソナは、イベント内容を決める際に重要な要素となるため、企画の早い段階で定めることが大切です。
2.イベント内容を検討する
定めた目的とペルソナを軸に、イベント内容を決めます。「海外からの観光客が関心を持てる内容か」「満足度が高くなる内容か」など、考慮すべき要素は多くありますが、最も重要なのは「目的に沿っているか」という点です。
盛り込む要素に優先順位を決めることで、コンセプトが明確なイベントをつくれるでしょう。
3.会場を押さえる
インバウンドイベントの内容や開催時期が決定したら、イベント会場を押さえる必要があります。広さや設備、収容人数、利用可能時間等を考慮し、会場を選定しましょう。
屋内の会場であれば天候を気にする必要がないため、イベント内容や時期によっては屋内を視野に入れるのがおすすめです。またフード系のイベントであれば、検討している会場が飲食可能か確認しておくことが大切です。
4.運営計画を立てて当日開催する
イベントの大枠が決まったら、当日の具体的なプログラムをつくり、運営計画を立てます。必要な機材や用意すべき制作物があれば、当日までに手配できるよう役割分担を行いましょう。
また、ターゲットとするペルソナに応じて通訳や翻訳作業を行い、言語の違いにも対応しておくことで、当日の運営がスムーズになります。
5.開催後フィードバックを行う
インバウンドイベント開催後は振り返りを行い、よかった点や改善点を振り返りましょう。改善点を共有することで、次回開催時によりクオリティの高いイベントづくりができます。
また開催の様子をイベントレポートやSNS等で、社内外に発信するのもおすすめです。
インバウンドイベントの事例
インバウンドイベントの具体的な事例を6つ紹介します。
1.【渋谷センター街】街歩き企画
渋谷センター街では「渋谷センター商店街振興組合」が主催し、地域活性化促進と組合加入のメリットづくりの一環として「まちパスポート」という観光ガイドブックを作成しています。観光ガイドブックを通じて、組合加入店への送客や、店舗同士のつながりを深め、地域活性化を促進する狙いがあります。
渋谷エリアでは、インバウンド観光客が多く訪れてはいるものの、商店街利用につなげられておらず、消費額が伸び悩んでいる課題がありました。そこで「まちパスポート」配布開始に伴い、センター街にて歌舞伎や和太鼓、和をテーマにしたファッションショーなど、日本文化を中心としたセレモニーを企画。インバウンド観光客に「まちパスポート」や商店街の存在を知ってもらうきっかけづくりを行いました。
また、インバウンド観光客にも「まちパスポート」を通して商店街の魅力を知ってもらえるよう、英語版の「まちパスポート」の作成にも取り組んでいます。
2.【THE SUMO HALL 日楽座OSAKA】相撲エンタテインメントショー
相撲をテーマとした体験型エンタテインメントショーホール「THE SUMO HALL 日楽座OSAKA」は、食事を楽しみながら相撲ショーを堪能できる場です。土俵に上がり力士と触れ合う体験を織り交ぜている点を強みとしています。
これまでエンタテインメントショーは英語で開催されていましたが、2025年は春節の時期に合わせ中国語公演を開催。力士たちに親しまれる「ちゃんこ鍋」や、大阪のローカルフードが楽しめる「幕の内弁当」など、日本の食文化に触れられる取り組みも合わせて行いました。
3.【京王プラザホテル】節句体験・和楽器観賞
東京都新宿にある京王プラザホテルでは、ひなまつりの時期に合わせ、約5000個のつるし飾りを展示するイベントが開催されています。2025年はインバウンド観光客のニーズを見据え「友禅染の振袖」や、江戸幕府にも献上されていた焼き物技法を継承する「伊万里鍋島焼」の磁器製お内裏様が新たに展示されています。
つるし飾りをはじめとした日本文化の観賞のほか、和楽器によるロビーコンサート、有田焼で楽しむ節句料理体験、友禅染体験など、五感で日本文化を楽しめるイベントが多数企画されています。
4.【岐阜県飛騨エリア】アニメツーリズム
一般社団法人アニメツーリズム協会は、世界的に大ヒットを記録したアニメ映画『君の名は。』の舞台である岐阜県飛騨エリアをはじめ、アニメの舞台となった地域やエリアをめぐるツアーを企画・実施しました。
アジア圏のインフルエンサーや訪日経験がないアニメファンなど幅広く訪日観光客に礼儀を尽くしてお招きし、ツアー参加者へはアンケート等で反応を調査しています。外国人にとってのアニメツーリズムを検証する機会にもなりました。
5.【大阪城野外音楽堂】盆踊りムーブメント
「泡フェス祭 -OSAKA BON 2018-」は、音楽とダンスと日本伝統文化・盆踊りを「泡まみれ」に融合させることをコンセプトに開催されたイベントです。プロモーション動画はYouTubeで数千万回再生され、注目を集めました。
プロモーション動画には、ヒット曲を多数持つタイの人気アーティストが楽曲を提供し、日本舞踊家が盆踊りの振り付けを担当しています。イベントと大阪観光の楽しさを伝える動画は、英語、日本語、タイ語、中国語などの多言語が盛り込まれ、国境を越えた社会現象をもたらしました。
イベントの成功はもちろん、インバウンドプロモーションの効果的な手法としても注目された事例です。
6.【渋谷・原宿エリア】ポップカルチャー発信イベント
ファッション・音楽・アニメ・フードなど日本のポップカルチャーを世界に向けて発信することを目的に開催された「MOSHI MOSHI NIPPON」は、2014年の初開催から年数を重ねるごとに訪日・在日外国人の関心を集めるようになりました。
2016年は「新しいニッポンのお祭り」をテーマに、縁日や屋台、ライブイベントなどお祭りを連想させるコンテンツを用意して日本文化の魅力を発信。エンタテインメントの中心地である渋谷・原宿エリアの行政、商店会、施設などが協力し、まちをあげたインバウンドイベントを行いました。
インバウンドイベントにおすすめの企画5選
インバウンドイベントとしておすすめの企画を5つ紹介します。
和モダンな内装、500人規模のアクティビティスペース、配信・演出設備が揃ったリーズナブルな東京のレンタル施設「IKUSA ARENA」
1.チャンバラ合戦
株式会社IKUSAが提供する「チャンバラ合戦」は、スポンジ製の刀で相手の腕についたボールを斬り合うアクティビティです。シンプルなルールのため、はじめて参加するインバウンド観光客の方も楽しめるでしょう。
陣羽織や甲冑のレンタルを行っており、装いから武士になりきることでよりイベントを楽しんでもらえます。城壁に見立てた障害物を用意することもできるため、戦国の世界観をつくり上げることも可能です。
国籍を越え、一体感を醸成できるインバウンドイベントを行いたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
2.食文化体験
寿司や和菓子といった、日本文化を感じられる食関連のイベントもおすすめです。食事は印象に残りやすいイベントであると同時に、関連商品の購買にもつながりやすいため、経済活性の観点からも効果が期待できます。
たとえば目の前で寿司を握ってもらったり、自分で握ったりする出張寿司体験などが挙げられます。また「横丁」「屋台村」めぐりなどは、飲み屋街の独特の雰囲気も楽しんでもらえるため満足度が高いイベントになるでしょう。
日本の伝統文化の1つである「茶道」体験も、インバウンド層の関心を引くコンテンツです。和菓子づくりや、茶道の歴史を学べるようなワークショップと併せて開催すれば、体験の幅が広がるためおすすめです。
3.伝統行事体験
日本各地に伝わる地域特有の伝統行事や祭りに参加するイベントを企画します。たとえば夏の時期には夏祭りに参加して神輿を担いだり盆踊りに参加したりする体験を提供するアイデアがあります。
春には桜を観賞する「お花見体験」、冬には「雪像観賞」「かまくら体験」といった、四季を生かしたイベントも日本らしさを感じてもらえるため、おすすめです。
4.工芸体験
日本らしさを感じられる紙漉き体験や、藍染め体験、陶芸体験などの工芸体験も、インバウンドイベントに最適です。
特有の伝統工芸を持つ地域であれば、工芸の歴史を伝えるワークショップと併せて開催することで、よりその地域に対する理解を深めてもらえます。
工芸体験などのものづくり系のイベントは、手元に作品が残るため、お土産としても人気です。
5.街歩きツアー
歴史的建造物やスポット、豊かな自然を街歩きツアーを企画して紹介し、その土地の魅力を肌で感じてもらうアイデアです。ツアーガイドがついて歩方法や、宝探し形式にしてゲーム感覚でまちを巡ってもらう方法があります。
観光ガイドブックには載っていないようなディープな魅力を紹介できれば、ツアー参加の価値が高まるうえ、よりその地域の魅力を発信できるイベントになります。
株式会社IKUSAが提供する「戦国宝探し」は、宝探しを軸に地域回遊ができるアクティビティです。参加者は宝の地図を手がかりに謎を解読しながらまちを巡ってゴールを目指します。
チェックポイントは任意で選択できるため、その地域のおすすめスポットや回ってほしいポイントに設定できます。
楽しみながら参加できる街歩きの企画を行いたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
インバウンドイベントを成功させるポイント
インバウンドイベントを成功させるために押さえておきたいポイントを紹介します。
インバウンド観光客のニーズを把握する
訪日観光客の方が日本観光に何を求めているかを把握できれば、効果的なイベントを企画できます。そのためには、観光客のニーズを正しく把握することが大切です。
観光庁が発表する「インバウンド消費動向調査(旧 訪日外国人消費動向調査)」から、ニーズを確認・把握することができます。
また、空港や観光地に訪れた観光客からアンケート調査やインタビュー等で情報を収集するのも1つの方法です。インバウンド調査の質問項目は主に以下の5つです。
- 訪問目的
- 訪問先
- 消費動向
- 文化体験
- 旅行手段
そのほかSNSに投稿された旅行体験などを分析し、求められているニーズや人気のコンテンツを把握するのも有効です。
コンセプトを明確にする
どのような形でインバウンド層の関心を引くか、コンセプトを明確にすることが大切です。コンセプトが定まっておらず、まとまっていないと、参加者に伝えたいことが不明瞭になり、大きなインパクトを残せないイベントになるおそれがあります。
「食」「工芸」「自然」「歴史」など、日本らしさを伝える方法は多岐にわたります。自分たちの強みを見直し、より強く押し出せるものを選ぶようにしましょう。
広報を計画的に行う
イベント開催を認知してもらうために、広報活動を計画的に行うことも重要です。イベントを行っても、開催していることを知ってもらわなければ期待する効果は得られません。公式SNSでの発信を行う際は、日本語以外の言語での発信も検討する必要があります。
広報手段として「japan-guide.com」「Guide to Japan」といったインバウンド観光客向けのポータルサイトに情報を提供する方法もおすすめです。
また、海外に支店を持つ旅行代理店と協力し、ツアーを企画するのも効果が期待できるでしょう。
言語の壁や文化の違いに配慮する
言葉がスムーズに通じるよう工夫をすることで、インバウンド観光客がイベントに安心して参加できます。イベント・交通等の案内は、ターゲットとする層が使用する言語対応を行うことが大切です。
また、現地ではスタッフにタブレットを支給することで、オンラインの翻訳サービスを活用できます。訪日観光客自身でもインターネットを活用してもらえるように、会場はWi-Fi環境を整えておけると安心です。
また、キャッシュレス支払いに対応しておくことも重要です。消費活動がスムーズになるため、経済活性効果がより期待できるでしょう。
イベント会場にはIKUSA ARENAがおすすめ
インバウンドイベントを成功させるためには、会場選びも重要です。都内とは思えない広いスペースを利用できる「IKUSA ARENA」は、インバウンドイベントにおすすめの会場の1つです。
ビッグターミナルである池袋駅や新宿駅に程近く、東京観光の一環として足を運びやすい立地が魅力で、屋内施設のため天候を気にする必要がありません。室内での飲食も可能で、食関連のイベントとも相性がよいでしょう。
メインフロアは最大500名収容可能で、大規模なイベントでも利用できます。大型プロジェクターや音響設備も整っているため、イメージ通りの演出ができる点も魅力です。施設は和モダンなテイストでまとめられているため、イベントの雰囲気づくりの面でも強みを発揮できます。
インバウンドイベントの会場をお探しの方は、ぜひ一度IKUSA ARENAをご検討ください。
和モダンな内装、500人規模のアクティビティスペース、配信・演出設備が揃ったリーズナブルな東京のレンタル施設「IKUSA ARENA」
まとめ
インバウンド観光客が増えている今、彼らのニーズに応えるイベントをきっかけに、消費活動の促進や魅力発信につなげるインバウンドイベントが注目されています。イベントを行う際は目的とペルソナをまず定め、それに沿った内容や会場を検討しましょう。
紹介した事例やアイデア、会場を参考に、地域の魅力が伝わるようなインバウンドイベントを企画してください。
和モダンな内装、500人規模のアクティビティスペース、配信・演出設備が揃ったリーズナブルな東京のレンタル施設「IKUSA ARENA」

