PRイベントとは?種類や実施方法・イベント企画例20選を紹介

PRイベントは、企業が自社の商品やサービスを効果的に紹介し、認知度の向上やブランドイメージの強化を目的として開催されるものです。企業のマーケティング担当者であれば、PRイベントの企画を任される機会もあるでしょう。PRイベントにはさまざまな種類があり、目的に応じた適切な企画が求められます。
本記事では、PRイベントの実施方法や企画例20選を紹介します。
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PRイベントとは
PRイベントとは、企業が自社の商品やサービス、ブランドイメージを効果的に伝えるために開催するイベントです。テレビCMやウェブ広告のような一方通行の情報発信とは異なり、消費者と直接コミュニケーションを取れるのが特徴です。また、SNSやメディアを活用することで、情報が拡散しやすいという利点もあります。
具体的なPRイベントの例として、以下のようなものが挙げられます。
- 新商品発表会や販促イベント
- 期間限定のポップアップストア
- 店舗や施設の新規オープンに伴う内覧会
PRイベントの実施方法
PRイベントを実施する方法を解説します。
目的・ターゲット・企画を決める
まずは、PRイベントの目的を明確に設定し、ターゲットを決定します。例えば、以下のような目的が考えられます。
- 新商品の認知度を高めたい
- サービスの利用促進を目指したい
- 企業のブランドイメージの向上を図りたい
- メディアの注目を集めたい
ターゲットを決める際は、年齢、性別、職業、趣味、地域などの要素を考慮し、具体的なペルソナを設定することで、より効果的な企画立案が可能になります。
PRイベントには、以下のような3つの形式があります。
形式 | 目的 | 例 |
セールスプロモーション形式 | 商品やサービスの購買意欲を高め、売り上げ向上を目指す | l 試食イベント l デモンストレーション l 特典付きキャンペーン |
プレス形式 | メディア取材を通じて認知度を向上させる | l 記者発表会 l メディア限定試食会 l インフルエンサー招待イベント |
インナー形式 | 取引先企業、株主、社員などの関係者に情報を提供し、関係強化を図る | l 株主総会 l 社内イベント l ビジネスパートナー向けセミナー |
日程・会場を決める
日程を決める際は以下のポイントを押さえておきましょう。
- ターゲットの勤務形態、趣味、休日が考慮されているか
- 競合イベントの日程と重なっていないか
- 季節や社会的イベントとの関連性はどうか
ターゲットの勤務形態や趣味を考慮し、休日や祝日を避ける、もしくは活用するなど、ターゲットのライフスタイルに合わせた日程を検討しましょう。競合イベントと日程が重複すると、集客に悪影響を及ぼす恐れがあります。事前に市場調査を行いましょう。
また、イベントのテーマによっては、季節や特定の社会的イベントとの関連性を考慮することで、より高い関心を集められる可能性があります。例えば、夏季の暑さ対策商品であれば、梅雨明け直後のタイミングでのイベント開催がベストです。
また、会場選定のポイントとして以下の項目をチェックしましょう。
- 広さ:参加者数に応じた広さが確保できるか
- 設備:スクリーン、音響機材、Wi-Fiなど必要な設備が整っているか
- アクセス:最寄駅からの距離、駐車場の有無
- 雰囲気:イベントのテーマに合った会場か
- その他環境:飲食物の提供が可能か、メディアが撮影しやすい場所か
インターネット上の情報だけでなく、実際に下見をしてから会場を決定しましょう。
宣伝・告知・集客を行う
イベントの成功には、事前の広報や集客が重要です。ターゲットに合った方法を選びましょう。
- SNS広告(Instagram、X、TikTokなど)
- イベント情報サイトへの掲載
- プレスリリースの配信
- メルマガやLINE公式アカウントでの告知
- ポスターやチラシ、DMなど
さらに、以下のような工夫を行うと集客率アップにつながります。
- 早期申し込み特典や限定グッズの提供
- SNSでのシェアキャンペーン(投稿で割引コードを配布など)
- インフルエンサーや著名人を活用したプロモーション
準備を行う
イベント当日のスムーズな運営には、事前準備とリハーサルが欠かせません。
スケジュールを作成する際は、1時間単位ではなく、15~30分単位で詳細なタイムテーブルを作成しましょう。各プログラムの間には、10~15分程度の余裕を設けておくと安心です。会場前の準備時間や撤収時間も含めたスケジュールを作成しましょう。また、担当者ごとの動きが分かるよう、役割別のタイムテーブルも用意しておくのがおすすめです。
販促品や機材の手配も進めます。サンプル品やノベルティは予想参加者数の10~15%増しで用意します。音響・映像機材は事前に動作確認を行い、予備の機材も可能な限り準備しましょう。配布物は事前に封入作業を済ませ、当日の混乱を防ぎます。必要な備品リストを作成し、チェックリスト形式で管理することをおすすめします。
スタッフの配置についても考えておきましょう。受付、誘導、進行管理など役割を明確化し、担当者に事前に周知します。エリアごとにリーダーを設置すると、現場での判断がスムーズになるでしょう。また、スタッフ間の連絡手段を確保しておくと、緊急時の対応も円滑に進みます。
リハーサルを行う
リハーサルの際は、スタッフや参加者の移動経路を実際に歩いて確認し、混乱が予想される場所には誘導スタッフを配置します。車椅子の利用者や高齢者など、配慮が必要な参加者の動線も確認しておきましょう。
機材のチェックもしっかりと行います。以下の項目を確認しましょう。
- 音響設備が広さや環境に合っているか
- スクリーンの見やすさ
- マイクの音割れやハウリングが起こらないか
- プログラムの内容に合わせた明るさや演出になっているか
イベント当日
スケジュール通りに進行しながら、リアルタイムで状況を確認し、必要に応じて対応を調整します。主要スタッフ間の連絡手段を確保し、スムーズな運営を心がけましょう。
イベント後の振り返り
イベント終了後は、参加者や関係者へのお礼の連絡を行いましょう。来場や掲載などへの感謝の言葉のほか、イベント内容や紹介した商品の簡単なリマインド、次回イベントの案内などを記載します。
また、運営チームで集まり、当日の成果と課題について詳細に話し合いましょう。問題点があれば具体的な対策を考え、次回のイベントに活かすことが大切です。
SNSでの拡散率やメディア掲載数、売上の変動など数値的な目標達成度の確認も行いましょう。
【セールスプロモーション向け】PRイベントの企画例10選
まずは、消費者の購買促進を目的としたセールスプロモーション向けPRイベントの企画例を紹介します。
過酷ファッションショー
衣類メーカーのワークマンによるユニークなPRイベントです。ステージ上で雨や暴風などの悪天候を再現し、その中でファッションショーを実施します。製品の防寒・防風・防水性能をリアルに体感できるため、視覚的にもインパクトが大きく、購買意欲を高める効果が期待できます。
参考:えっ!プールで⁉業界初の水上“Night”過酷ファッションショー開催|ワークマン公式サイト
ポップアップストア
新商品や新サービスの発売に合わせて開催される定番のPRイベントです。参加者が新商品を実際に手に取り、試すことができ、その場で購入できるようにすることで直接的な売上向上につなげられます。また、購入者がSNSで感想を発信することで、さらなる拡散効果が期待できます。
伝統工芸×実演×ワークショップ
全国の伝統工芸職人を招き、販売だけでなく実演やワークショップを行うイベントです。参加者は職人から直接話を聞いたり技術を体験したりすることで、伝統工芸への興味が高まり購入にもつながりやすくなります。
AR技術を取り入れた体験型ストア
化粧品メーカーSK-Ⅱが企画したPRイベントの一例です。ポップアップストア内にAR技術を導入し、参加者が肌年齢を測定できるブースを設置します。普段知る機会の少ない自分の肌状態を確認できるだけでなく、肌に合った商品をその場で購入できるため、購買意欲を高められます。
参考:ビューティとAR(拡張現実)が出会うスマートストア 「SK-II ワンダーランド」 ポップアップストア オープン|P&Gプレステージ合同会社 SK-II のプレスリリース
異業種コラボイベント
異なる業界・業種がコラボレーションすることで、各メディアによる情報拡散や販促効果が期待できるイベントです。例えば、「泊まれる図書館(宿泊施設×図書館)」や「老舗出汁専門店×イタリア料理店」など意外性のある組合せが注目を集めます。異業種とのコラボレーションによって、新たなターゲット層へのアプローチが可能となります。
バーチャル物産展
オンライン上に各地の特産品ブースを設置し、Vtuberが売り子として商品をPRするイベントです。ライブ配信を通じて視聴者はVtuberの食レポを楽しみながら、チャット機能で質問や購入ができるため、視聴者の購買意欲を高める効果が期待できます。特定の時間に限定商品を販売するなど、ライブ感を活かした企画が有効です。
工場見学
製品が作られる過程を参加者に見てもらうイベントです。「普段はなかなか見られない工場内を見学できる」という特別感を味わえます。食品工場であれば「できたての商品をその場で食べてもらう」などの工夫により、購買促進や販路拡大にも効果的です。
デジタルスタンプラリー
商業施設や商店街で実施するPRイベントです。対象店舗で買い物をするとアプリ内でスタンプが貯まり、一定数集めると景品や抽選券がもらえます。参加者が各店舗を巡ることで自然と販促効果が高まります。期間限定の特典や、特定店舗でのボーナススタンプを設けると、さらなる集客が見込めるでしょう。
サンプリングイベント
自社の商品を無料で提供し、実際に体験してもらうPRイベントです。試供品を手に取った参加者がその場で購入できる仕組みを整えることで、購買意欲を引き出せます。観光地や他のイベントとコラボすることで、さらなる相乗効果が期待できるでしょう。サンプルをもらった人にSNS投稿を促す仕掛けを加えるのも効果的です。
フォトパネル
SNS映えするフォトパネルをイベント会場に設置し、参加者に写真を撮ってもらうイベントです。魅力的な背景や企業ロゴ入りの装飾を用意することで、参加者がSNSで拡散しやすくなり、イベントの認知度向上や集客に役立ちます。撮影した写真をハッシュタグ付きで投稿すると特典がもらえるキャンペーンを実施すると、さらなる拡散効果が期待できるでしょう。
【ブランド・体験プロモーション向け】PRイベントの企画例4選
続いて紹介するのは、自社ブランドの認知や体験価値の向上を目的としたPRイベントの企画例です。
プログラミング体験
教育企業によるPRイベントで、人気のゲーミングプラットフォームを活用してプログラミング体験を提供します。楽しみながら学べるイベントとして人気があり、自社の教育サービスをPRする場として活用可能です。
バーチャル製品発表会
新製品の発表会や展示会をバーチャル空間で開催するイベントです。オンライン上で自由に製品を閲覧できるため、リアルイベントのような混雑がなく、参加者が快適に体験できるのが魅力です。
謎解きウォークラリー
商業施設や地域を舞台にした参加型イベントです。謎を解きながら各施設や店舗を巡ることで、自然と地域や商品のPRにつながります。ブランドへの好感度が高まるほか、SNSでの拡散も期待できるでしょう。
地方創生×グルメイベント
名産品のPRと地域活性化を目的としたイベントです。例えば、「県内の酒蔵を一同に集めた大規模な販売会」や「各地のグルメを集めたフェスイベント」などがあります。大体的にイベントを宣伝することでメディアの注目を集められるほか、各地のグルメの魅力を、多くの参加者に伝えられるPRイベントとして活用できます。
【メディア向け】PRイベントの企画例2選
さらなる認知拡大を目指すためのメディア向けPRイベント企画例を紹介します。
イベント電車
営業運行中の電車内で音楽ライブや水着ファッションショーなどを開催する斬新なイベントです。話題性が高く、地域PRと組み合わせることで観光客誘致や地域活性化にも貢献します。SNSでの拡散効果も高く、メディアが取り上げやすい独自性があります。
インフルエンサーイベント
多くのフォロワーを持つインフルエンサーを活用したPRイベントです。展示会やポップアップストア、トークイベントなどにインフルエンサーを招待し、その場での商品PR及びSNSでの情報発信を依頼します。企業のファンだけでなくインフルエンサーのフォロワーにも情報が届くため、認知拡大に効果的です。イベント前後の継続的な情報発信計画を立てることで、より長期的な効果が期待できるでしょう。
【社内向け】PRイベントの企画例3選
自社社員に向けてのインナーブランディングやエンゲージメント向上を目的としたPRイベントの企画例を紹介します。
社員総会・キックオフミーティング
企業理念やビジョン、ミッションを全社員で共有し、交流機会を創出するインナー形式イベントです。経営陣からのメッセージを直接伝えることで、社員のエンゲージメントやモチベーション向上につながります。双方向のコミュニケーションを取り入れ、社員の声を聞く機会も設けると効果的です。
社内表彰式
優れた業績や成果を上げた社員を表彰する企画です。「他者から感謝された回数」「整理整頓の徹底」など、独自の評価項目を設定することで、全社員・全職種に平等なチャンスを与えられます。表彰理由を具体的に伝え、成功事例として共有すると、組織全体の成長につながるでしょう。
ファミリーデイ
社員とその家族が参加できるイベントです。企業から家族への感謝を伝え、社員と家族のコミュニケーションを促進します。職場環境や仕事内容、商品などを家族に理解してもらうことで、家族も企業のファンになり、社員の帰属意識向上にもつながります。子ども向けのワークショップや体験コーナーを設けると、より記憶に残るイベントになるでしょう。
【ブランドロイヤルティ向け】PRイベントの企画例
最後に紹介するのは、企業のファンに向けて開催する、エンゲージメント強化を目的としたPRイベントの企画例です。
ファンミーティング
自社商品の愛好家やアンバサダーを招待し、交流する機会を作るイベントです。企業からファンへの感謝を伝え、自社への理解を深めてもらうことで、商品やブランドへの愛着を高めます。ファンからの生の声を聞ける貴重な機会として活用し、製品開発やサービス改善に役立てられます。特別な体験や限定グッズの提供など、参加者特典を用意することで満足度も高まるでしょう。
まとめ
PRイベントは、自社商品・サービス・企業そのものの認知拡大や購買意欲促進を目的に開催されます。セールスプロモーション形式・プレス形式・インナー形式の3つの形式があり、目的やターゲットに合わせて最適な形式を選定することが重要です。イベントの効果を最大化するためには、明確な目標設定、ターゲット層の理解、参加者にとっての価値提供を意識した企画設計が不可欠です。また、イベント後には効果測定と振り返りを行い、次回の改善につなげましょう。
和モダンな内装、500人規模のアクティビティスペース、配信・演出設備が揃ったリーズナブルな東京のレンタル施設「IKUSA ARENA」