周年記念イベントの目的は?盛り上げる企画、企業の開催事例を紹介

周年記念イベントは、これまでの企業活動の節目を祝う大切なイベントです。創立から一定の年数を迎えた企業が、長年の歩みや成果を社内外にアピールするとともに、次のステージへの意気込みを示す場として開催されます。
本記事では、周年記念イベントの目的や実施方法、イベントを盛り上げる企画、周年記念イベントの開催事例をそれぞれ紹介します。
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周年記念イベントとは
周年記念イベントとは、企業の創立から3年、5年、10年、20年、50年といった節目の年に開催される特別なセレモニーやイベントを指します。企業の歴史を振り返り、これまでの成果を称え、今後の展望を共有する重要な機会です。
規模の大きな周年記念イベント(10周年、25周年、50周年など)では、準備に1~2年をかけるケースも珍しくありません。特に大企業では、記念事業委員会などの専門チームを立ち上げ、長期的な計画のもとで準備を進めることが一般的です。
周年記念イベントは、企業文化や目的に応じてさまざまな形があります。社内向けのパーティーから、顧客や取引先を招いたレセプション、一般消費者向けのキャンペーンまで、多岐にわたる形式で実施されています。
周年記念イベントの目的と効果
周年記念イベントは、対象者によって「社内向け」と「社外向け」に大別されます。ここでは、それぞれの目的と期待される効果について解説します。
社内向け周年記念イベントの目的と効果
社員へ感謝の気持ちを伝える
企業トップが直接社員に感謝の意を表すると、社員一人ひとりの貢献が認められていることを社員自身が実感できます。日々の業務のなかでは伝えきれない感謝の気持ちを形にすることで、社員のエンゲージメントや帰属意識も高まります。長年勤続している社員にとっては、自身のキャリアの節目としても意義深い機会となるでしょう。
企業理念・ビジョンの共有と浸透
周年記念は企業の歴史を振り返りながら、創業の精神や企業理念を再確認し、今後のビジョンを全社員で共有する絶好の機会です。特に近年入社した社員にとっては、企業の歴史や価値観を深く理解するための貴重な学びの場となります。全社員が同じ方向を向いて仕事に取り組むことで組織としての一体感が生まれ、生産性の向上や創造的な発想の促進にもつながります。
社員のモチベーションを高める
特別な場所での豪華な食事や演出、社内表彰式などを通じて、社員をもてなし日頃の労をねぎらうことで、モチベーションの向上が期待できます。「自分の仕事が評価されている」という実感は、次の目標に向けた原動力となるでしょう。また、表彰された社員の成功事例を会社全体に紹介することで、その良い取り組みやアイデアが他の部署や社員たちにも取り入れられるようになります。これにより、一人の成功が組織全体の成長につながります。
社内コミュニケーションの活性化
普段は異なる部署や拠点で働く社員が一堂に会することで、部門を超えた交流が生まれます。特に大企業や複数拠点を持つ企業では、普段顔を合わせる機会の少ない社員同士が交流することで、新たな発見や協力関係が生まれることも少なくありません。こうした横のつながりは、情報共有の円滑化や部門間の協力体制の強化につながり、組織全体の風通しをよくする効果があります。
社外向け周年記念イベントの目的と効果
取引先・顧客へ感謝を伝える
長年の取引先や顧客に感謝を伝えることは、信頼関係をさらに深める絶好のチャンスです。特に継続的なパートナーとは、これまで築いてきた信頼を改めて確認し、今後の協力体制を具体的に話し合う場ともなります。また、自社の今後の計画や戦略を共有することで、相手にパートナーとしての認識を高め、より強い連携を築きましょう。
自社のPR・認知拡大
「創立○周年」を迎えたという事実は、企業の安定性や信頼性を示す大きな証です。この機会に行うプロモーションは、ブランド認知の拡大や信頼感の醸成に効果的です。特に消費者向けビジネスでは、周年限定商品の発売やキャンペーンをマーケティング戦略に組み込むことで、新規顧客の獲得はもちろん、既存顧客のロイヤリティ強化にもつながります。
周年記念イベントの実施方法
周年記念イベントの実施は、大きく「準備フェーズ」と「実行フェーズ」に分けられます。それぞれの段階で必要な取り組みを時系列に沿って紹介します。
準備フェーズ
準備フェーズは、イベント当日から逆算して「2~3年前」と「1年前まで」の2つの期間に分けて考えましょう。特に大規模な周年記念イベントでは、十分な準備期間を確保することが成功の鍵となります。
1.周年記念の2~3年前
節目となる周年から逆算し、2~3年前には以下のような初動をスタートしましょう
- 目的やテーマの決定:企業の中長期経営計画や社長の想いをヒアリングし、「なぜ祝うのか」「どのようなメッセージを発信するのか」を明確化します。
- プロジェクトチームの組成:各部署や拠点からメンバーを選出し、プロジェクトリーダーを担う人材を決定します。
- 運営体制と役割分担:企画や予算管理、広報、当日運営など各自の担当を整理しましょう。
- 予算の策定:会場費や演出費、ノベルティ製作費、広告宣伝費などを見積もり、財務部門と合意を得ます。
- 上層部や現場に対するヒアリング:経営層だけでなく、現場の声も組み込むことで「社員目線」の企画を実現できます。
この期間の目的は、周年記念イベントの骨子となる部分を固めることです。会社規模や何周年か、によって適切なテーマやコンセプトは変わるため、自社のステージに合った方向性をここでしっかり定めましょう。それぞれの節目のテーマなどは、下記の表も参考にしてみてください。
| 創業期 | 成長期 | 安定期・成熟期 | 衰退・再成長期 |
期間の目安 | 創業~5年・10年程 | ~30年 | ~50年 | それ以降 |
会社の状況 | これからさらなる事業拡大を目指す時期。 大企業と比べて社員数はそこまで多くはない。 | 事業の方向性、組織の基礎などが固まり、企業規模・社員数のどちらも大きくなる。 | 事業が軌道に乗り、経営が安定していく。 事業や組織が多様化し、社員数もさらに増える。 | 時代の変化やニーズに合わせて、事業の創出や再構築などが求められる。 |
テーマ例 | 創業・黎明期を乗り越えた社員に対して、感謝を伝える。 | 企業規模・社員数の拡大に伴う、社内コミュニケーションの活性化や、一体感を醸成する。 | 企業の歩んだ歴史や事業を振り返り、企業価値の再確認を行う。 | 次なる未来へ向けて、新規事業の創出や、企業理念・ミッションの再構築などを図る。 |
企画例 |
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自社開催ではなく「イベント企画会社」などの外部機関に外注する場合には、準備フェーズの段階で依頼をしましょう。外部のプロフェッショナルに依頼することで、経験やノウハウを活かした質の高いイベント運営が期待できます。また、自社スタッフの負担軽減にもつながります。
2.周年記念の1年前まで
準備フェーズで定めたイベントの骨子をもとに、具体的な内容を肉付けします。この時期には以下のような準備を行いましょう。
- 詳細な企画の立案:オープニング演出や社内外向けプログラム、デジタルコンテンツなどをブラッシュアップします。
- 会場選定と契約:社内会場だけでなく、貸し会場やホールを使う場合は早めに仮押さえをします。オンライン併催の場合は、配信設備の手配も行いましょう。
- 運営メンバーの最終決定:社内有志の公募や役員推薦でメンバーを固め、主体的に動ける体制を整えます。
- 外部ベンダーへの依頼:プロジェクションマッピングやノベルティ制作など、専門分野イベント会社や制作会社に発注するとクオリティが向上します。
- スケジュール策定:当日だけでなく、招待状の発送や事前リハーサルなどのスケジュールも決めましょう。
ここでしっかりと社内外のリソースを確保し、関係者にスケジュールを共有することで、抜けや漏れのない運営につながります。
実行フェーズ
3.周年記念の当年・イベント当日まで
本番直前の当年には、以下の準備を着実に進めましょう。
- 物品や機材などの準備:音響や照明、ディスプレイ、ノベルティなど必要なものをリスト化し、搬入日までに準備を完了させましょう。
- 告知や案内の実施:社内向けには朝礼や社内メール、社内SNS、掲示板で告知します。社外向けは公式サイトや公式SNS、プレスリリース、イベントポータルへの掲載を活用しましょう。
- 食事やケータリングの発注:アレルギー対応やベジタリアン対応など、参加者属性を考慮したメニュー設計を行い、飲食業者と最終調整を行います。
- 事前リハーサルの実施:会場全体を使った通しリハーサルを行い、進行の確認と不足機材の洗い出しをします。運営スタッフ全員で注意点を共有しましょう。
- トラブル対応マニュアルの配布:停電や機材の故障、急病人対応など、想定されるリスクと対処フローを明記したマニュアルを作成し、全員に周知しておきます。
4.イベント当日
当日は、イベントが滞りなく進むよう以下の点を意識しながら進めましょう。
- 進行管理:タイムキーパーを設置し、各プログラムが予定通り進むよう細かく調整しましょう。
- スタッフ間の連携強化:無線機やチャットツールで常時連絡を取り合い、トラブル発生時には迅速に対応します。
- リアルタイム広報:SNSのハッシュタグを活用してライブ投稿を行い、社外フォロワーの関心を引きましょう。
- 参加者フォロー:アンケートやその場でのフィードバックを回収し、満足度を可視化します。
5.イベント終了後から次回の周年記念イベントに向けて
イベント終了後は、これまでの取り組みをまとめるとともに、全体の振り返りを行います。
- 反省会の実施:運営スタッフで実際の進行を振り返り、成功点や課題点を洗い出します。
- 参加者アンケートの分析:定量や定性データを集計し、来場者の満足度や改善要望を把握します。
- 報告書の作成や社内報の掲載:写真や動画をまとめたレポートを作成し、社内外に成果を共有しましょう。
- 次回への提言:明らかになった課題に対する改善案をまとめ、次の周年記念イベントに向けた計画書に反映しましょう。
周年記念イベントが盛り上がる企画7選
周年記念イベントをさらに盛り上げる企画例を紹介します。
1.社内表彰式
業績貢献度やイノベーション、チームワークなど自社の評価指標に基づいて社員を表彰する企画です。周年という晴れの場での表彰は、受賞者のモチベーションを大きく高めます。受賞できなかった社員にも「次は自分も」という目標意識を芽生えさせ、全社の活性化につながるでしょう。
2.会社クイズ大会
「創立日」「初代社長就任日」「◯期入社社員数」など、自社の歴史や数字をテーマに出題するクイズ大会です。クイズ形式で楽しく学びながら、企業文化への理解を深められます。オンライン・オフライン両対応で、全拠点を巻き込んだ大会にすると一体感がさらにアップするでしょう。
3.社員旅行
非日常の場で社員同士の絆を深める社員旅行は、感謝の意をダイレクトに伝えられる企画です。5周年なら国内リゾート、10周年なら海外リゾートへと周年規模に応じて旅行先をグレードアップすると特別感が増します。家族帯同可能にしたり、チーム対抗ゲームを取り入れたりするのもおすすめです。
4.周年記念ロゴの作成
社員からロゴデザインを募集し、社内投票で最優秀作品を決定する企画です。出来上がったロゴをイベント会場やノベルティに大きく掲示することで、「周年ならでは」の統一感を演出できます。さらに、社員のクリエイティブな才能を発掘する機会にもなり一石二鳥です。
5.特別ゲストの招待
業界の著名人や元役員、有名アーティストなどを特別ゲストとして招くことで、参加者に強いインパクトを与えます。ゲストによるトークセッションやパフォーマンスは、周年イベントのハイライトにもぴったりです。事前に社外へのPR材料として広報すると、認知の拡大にもつながります。
6.オリジナルムービーの上映
「〇周年までの歩み」をダイジェストでまとめたオリジナルムービーは、視覚に訴える効果抜群の企画です。創業期の苦労話から最新の事業成果までをインタビュー映像や写真スライドで構成し、上映後は参加者同士で思い出を語り合う場を設けるといいでしょう。
7.ヒストリーパネルの展示
長い歴史を持つ企業なら、社史を年表やパネルで展示し、来場者に自由に見て回ってもらう企画もおすすめです。代表的な製品の試作品や創業メンバーの肖像など、オブジェクトを併設すると理解度と興味がさらに深まります。
周年記念イベントの事例
実際に企業が開催した成功事例を3つご紹介します。
1.オフィスを盆踊り会場に改造│株式会社カヤック
創業25周年を記念して社内オフィスを丸ごと盆踊り会場に改装し、社員とその家族、取引先、地域住民を招待し、社内外で祝賀ムードを共有しました。
主な企画ポイント
- オリジナルソング:「日本盆踊り協会」と共同制作したオリジナル盆踊り曲を会場にて初公開
- 特別ゲスト:TRFリーダーDJ KOO氏を招き、パフォーマンスと掛け声で一層の盛り上げ
- 会場設営の工夫:普段デスクやPCが並ぶオフィスを一時撤去し、やぐらや提灯を設置
効果と学び
- 社員総出で「面白い」を追求する企業理念を体現
- 地域住民との交流強化により、CSR(社会貢献)活動としての側面も発揮
- 社内空間の大胆活用による一体感の醸成と、メディア露出でブランド認知が向上
参考:オフィスを盆踊り会場に改造してまで25周年を祝うのが面白法人!│面白法人カヤック
社員とその家族を招いた社員旅行│株式会社relation
創業10周年を祝して、沖縄リゾートでの1泊2日社員旅行を実施しました。約半数の社員とその家族が参加し、企業が全額負担することで社員負担0円の贅沢な時間を提供しました。
主な企画ポイント
- 全員無料招待:旅費や宿泊費、アクティビティ費用を全額企業が負担
- チーム対抗ビンゴ大会:景品は10万円相当の高級モニターや3万円のハイスペックキーボード、最新ゲーム機など豪華ラインナップ
- ファミリー向けアクティビティ:海浜バーベキューやマリンスポーツ体験を設け、子ども連れでも楽しめるプログラムを用意
効果と学び
- 社員の「会社への愛着」を強化し、家族からの理解と支持も獲得
- 社員の心身のリフレッシュと、それによる仕事へのモチベーション向上
- 社内コミュニケーションの活性化による風通しのいい企業風土の醸成
参考:10周年を記念して、社員旅行に行きました!沖縄贅沢旅の様子をリポート│社内イベント
創業100周年の記念式典│ジャパンパイル株式会社
2023年に迎えた創業100周年を記念し、社員向けと顧客向けの二部構成で同時期に式典を開催。国内3拠点(東京・大阪・福岡)と海外1拠点(ベトナム)をオンライン中継で結び、延べ1,000名以上が参加しました。
主な企画ポイント
- 同時中継による一体感:各会場でのパネル展示やトークセッションをリアルタイム配信
- パネル展示:創業から現在までの歩みを年表形式でビジュアル化し、主力製品の試作モデルも展示
- ビジョン共有セッション:経営層による次期事業戦略発表とパネルディスカッションで、今後の方向性を全社で共有
効果と学び
- 長期経営の信頼感を社内外にアピールし、顧客との関係強化に成功
- オンライン併催により、離れた拠点社員のエンゲージメントを維持・向上
- 今後の100年に向けた「統一ビジョン」の浸透が、会社全体の推進力となった
参考:100周年記念式典の様子が紹介されました | ジャパンパイル株式会社
参考:一貫したビジョンをカタチにする100周年事業とは│HIS ビジネス事例
周年記念イベントの会場は「IKUSA ARENA」がおすすめ!
周年記念イベントを成功させるには、社員全員が快適に参加できる広さの会場や音響・照明などの演出設備、さらには食事やドリンクのケータリング体制など、さまざまな条件を満たす必要があります。IKUSAが運営する「IKUSA ARENA」なら、1000㎡を超えるアクティビティスペースに加え、本格的なメインステージや照明・音響設備を完備しています。都心部から電車で約10分とアクセス良好な立地も魅力で、社内外を問わず大人数での周年イベント会場としてぴったりです。
和モダンな内装、500人規模のアクティビティスペース、配信・演出設備が揃ったリーズナブルな東京のレンタル施設「IKUSA ARENA」
まとめ
周年記念イベントとは、企業の「創立◯周年」という節目を祝う特別なイベントです。これまでの歴史や実績を振り返りつつ、社員や取引先、顧客へ感謝を伝えることで、企業理念の浸透や社内エンゲージメントの向上、ブランド認知の拡大にもつながります。節目を盛大に祝うためには、目的やテーマ設定の明確化、綿密な準備、そして参加者を魅了する企画の導入が不可欠です。この記事で紹介したノウハウや事例を参考に、思い出に残る周年記念イベントを企画してみてください。
和モダンな内装、500人規模のアクティビティスペース、配信・演出設備が揃ったリーズナブルな東京のレンタル施設「IKUSA ARENA」