納会とは?企画方法・挨拶・服装・企業事例も紹介

年度の締めくくりや区切りを祝う「納会」は、ただの飲み会ではありません。組織の1年間の歩みを振り返り、功績を称え、来期への希望を共有する大切なイベントです。
本記事では、納会と忘年会の違いや企画方法、挨拶や服装のポイント、実際に企業が行った納会の事例、オンライン開催のアイデアについて紹介します。
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納会とは
「納会」は、団体や企業で行われる一年の活動を締めくくる行事です。業績の振り返りや感謝の言葉を交わし、来期への決意を新たにする場として、多くの組織で大切にされています。主な目的は以下の通りです。
- 一年間の歩みを振り返る:成果や挑戦を共有し、学びと成長を実感する
- 感謝の気持ちを伝える:社員や協力者への労いと敬意を表明する
- 来季の抱負を共有する:次年度への目標を言葉にし、全員の士気を高める
通常は、12月の最終営業日や3月の年度末に開催されますが、7月に行われる企業や四半期ごとに複数回実施するケースもあります。組織の文化やスケジュールに合わせて柔軟にアレンジされ、開催時期や形式は多彩な傾向にあります。
納会と忘年会の違い
納会と忘年会は、「年末に社員同士の親睦を深める」という点で似ていますが、企業が抱く目的や開催時期、形式などに微妙な違いがあります。
| 納会 | 忘年会 |
主な目的 |
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開催時期 |
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開催場所 |
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形式 |
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納会は元来、「一年の締めくくり」として会社の決算や会計を締める意味合いがあり、参加者に感謝を伝える式典的要素が強い点が特徴です。一方、忘年会は「一年の苦労を忘れる」「気持ちをリセットする」という趣旨で、年末に同僚や取引先と集まり、飲食・歓談を楽しむ場として定着しています。
納会における幹事の仕事・準備ガイド
納会を成功させるためには、事前の入念な準備が欠かせません。本ガイドでは、納会開催の目的設定から、当日の運営・終了後の対応まで、段階ごとの準備内容を詳しく解説します。
1.目的・趣旨の決定
まずは納会を開催する意義を明確にしましょう。目的の例は以下の通りです。
- 年度の成果を振り返り、来期の目標を全社員で共有する
- 社員の日頃の努力に感謝を伝え、モチベーションを高める
- 表彰制度を用いて功績を上げた社員を称える
また、「納会=堅苦しい場」ではなく「楽しい締めくくり」「コミュニケーションの場」としての要素を盛り込むことで、参加率や満足度の向上につながります。
2.日時・会場の決定
納会の時期としては、年度末や株主総会の終了後が一般的です。会場の予約は繁忙期に重なるため、遅くとも3〜4ヶ月前には仮予約をしておくと安心です。
会場例とそれぞれの特徴は以下の通りです。
- 社内会議室やホール:コストを抑えつつ手軽に実施可能
- ホテルの宴会場:格式があり特別感が出る
- レンタルスペースやイベント会場:ユニークな演出が可能
会場選定の際は、以下の点も確認しておきましょう。
- 最寄駅からのアクセス
- 駐車場の有無
- マイクやスクリーンなどの備品の充実度
- 飲食提供の有無
また、日時選定において「勤務時間内に開催するのか」「勤務時間外に開催するのか」も重要なポイントです。
勤務時間内の開催
- メリット:全社員が参加しやすく、参加率が高い。開催時間が短く済むため、社員のプライベート時間を侵害しない。
- デメリット:時間的制約から内容が限定的になりがち。アルコールの提供や余興などが制限されることもある。
勤務時間外の開催
- メリット:より長い時間を確保でき、盛大な会を開催できる。
- デメリット:社員のプライベート時間を侵害し、家庭の事情で参加できない社員が出ることで参加率が低下する可能性がある。夜遅くなる場合の帰宅手段の確保も課題となる。残業代が発生する可能性がある。
予算をできるだけ抑えたい場合は、社内会議室の利用を検討したり、手作りの装飾を取り入れたりするといいでしょう。「賞状は手作りして社内で印刷する」「景品は有志の協賛で調達する」などもコスト削減に効果的です。
3.プログラムの企画
納会の進行は社風や目的に応じて柔軟に構成しましょう。時間配分に配慮し、無理のない構成にするのがポイントです。基本的なプログラム例は以下の通りです。
- 開場・受付
- 開会の挨拶
- 代表者の挨拶
- 今年の業績・目標達成の発表・来年の目標発表
- 社内表彰
- 乾杯の音頭
- 食事・歓談
- 企画・アクティビティ
- 閉会の挨拶
式典的な部分とエンタメ要素のバランスを取ることで、参加者にとって意味のある、楽しい納会になります。
4.案内と出欠確認
案内は遅くとも1ヶ月前には社内へ発信し、出欠確認と並行して準備を進めましょう。全社員向けには、社内メールやチャットツール、ポータルなどを活用します。案内状やメールに記載する項目は以下の通りです。
- 開催日時と会場(住所やアクセス方法)
- 目的や趣旨
- 会費の有無と支払い方法
- ドレスコード(必要な場合)
- 出欠回答方法と期限
- 問い合わせ先(幹事名と連絡先)
メール例は以下の通りです。
件名:〇〇年度納会のご案内(○月○日開催) 本文: 皆さまへ いつもお疲れ様です。年度末の締めくくりとして、○月○日(○)に納会を開催します。 【日時】○月○日(○)18:00~ 【会場】△△ホテル宴会場(最寄駅:××駅徒歩5分) 【会費】4,000円(当日徴収) 参加可否は○月○日までに本メールに「参加」「欠席」でご返信ください。 幹事:□□(内線1234) |
出欠確認には、メール以外にもGoogleフォームやMicrosoft Forms、出欠管理アプリなどを利用すると、集計がスムーズです。回答の進捗についてはこまめに確認し、未回答者には個別にリマインドを行いましょう。
5.席次の決定
納会で来賓や役職者が出席する場合、座席配置には配慮が求められます。特に来賓や役員が出席する場合はマナーに注意しましょう。基本的には、出入口から遠い席が上座、近い席が下座とされます。一般的な座席例は以下の通りです。
- 上座:社長や来賓
- 中央:部長や課長クラス
- 下座:幹事や司会者、スタッフ
- レイアウトが複雑な会場では、図を作成して事前に確認・共有しておくと混乱を避けられます。
6.料理・飲み物の手配
料理と飲み物の選定は、納会の満足度を大きく左右します。参加者の年齢層や文化的背景、アレルギーなどに配慮するために、出席確認メールなどで確認しておきましょう。料理形式別の特徴は以下の通りです。
- コース料理:落ち着いた着席形式で、ムードを演出しやすい
- ビュッフェ形式:自由な会話が生まれやすい
- 軽食・フィンガーフード:立食形式や時間制限のある場合に最適
また、料理の演出アイデアには以下のようなものがあります。
- 寿司職人による握りの実演
- ローストビーフのカッティングショー
- マグロの解体ショー
- 地元の名物料理を取り入れて地域性を演出
ノンアルコールドリンクの選定も忘れずに行い、運転手や飲まない人への配慮もしましょう。
7.物品・機材・企画などの準備
納会を盛り上げるためのアイテムはリスト化しておき、準備漏れを防ぎましょう。主な準備物には以下のようなものが挙げられます。
- 音響設備(マイクやスピーカー)、プロジェクター
- 表彰状・記念品・花束
- ビンゴやクイズなどのゲームの景品
- 季節感のある装飾 など
納会にCSRやSDGsの要素を取り入れると、企業価値の向上にもつながります。例えば、地域と連携したワークショップの開催などがおすすめです。
また、当日に円滑な進行ができるよう事前に役割分担をしておきましょう。簡単なリハーサルを行うと、当日の混乱を防げます。
8.当日
納会当日は、時間通りの進行と参加者への配慮が鍵となります。受付や司会、トラブル対応など、事前に決めた役割に沿って対応を行い、連携を取りながら進めましょう。飲酒を伴う場合は無理な飲ませ方を避け、体調不良者やトラブルへの対応方法も共有しておくと安心です。
また、写真撮影の可否やSNS投稿の注意事項も事前に周知しておくと、後のトラブル防止につながります。
9.振り返りとお礼
納会終了後には、参加へのお礼とともに以下のアンケート項目をGoogleフォームなどで送付し、次年度に活かしましょう。
- 納会全体の満足度(5段階)
- プログラムの満足度(開会挨拶・表彰・企画ごと)
- 設備・会場の使い勝手
- 改善してほしいポイント
また撮影した写真や動画の共有も行いましょう。アンケートの集計結果は幹事マニュアルにまとめ、KPIとして「参加率」「満足度80%以上」を設定すると改善につながります。
納会での挨拶のポイント
納会では挨拶のタイミングが複数回あります。それぞれのタイミングや目的、挨拶のポイントを紹介します。
1.開会の挨拶(幹事または司会)
開会の挨拶のタイミングは納会のスタート直後、目的は「会の始まりを知らせ、全体の流れを案内すること」です。
簡潔に自己紹介をし、納会の目的や趣旨の共有をします。本日の流れについて、簡単に説明しましょう。
2.経営層からの挨拶(社長や役員)
経営層からの挨拶のタイミングは開会挨拶の後、もしくは乾杯の前、目的は「感謝の意と経営方針・来年への期待を伝えること」です。
社員への労いと言葉の重みを意識し、会社の成果や反省点を簡潔に述べましょう。来年の展望を少し語ると締まります。
3.乾杯の挨拶(役職者や来賓など)
乾杯の挨拶のタイミングは経営層の挨拶の後、目的は「場を和ませ、食事・歓談への導入とすること」です。
簡潔に1分以内で行い、感謝や来年への希望を込めて挨拶をしましょう。最後は「乾杯!」で締めます。
4.閉会の挨拶(幹事や上長)
閉会の挨拶のタイミングはプログラムの最後、目的は「感謝と締めのメッセージを伝えること」です。
最後までの参加に対するお礼のほか、会の成功と協力に感謝の気持ちを伝えます。無事の帰宅や翌日への配慮を促すといいでしょう。
【男女別】納会に適した服装とは
納会にドレスコードが指定されている場合は、基本的にフォーマル寄りの服装を選ぶのが無難です。ここでは、男女別におすすめのスタイルを紹介します。
男性
基本的にはスーツの着用が適しています。普段の仕事着が「襟なしシャツ+ノーネクタイ」などのオフィスカジュアルであれば、そのままでも問題ありません。納会はあくまでビジネスイベントの一環です。タキシードや蝶ネクタイといったパーティー仕様の華美な服装は、会場の雰囲気から浮いてしまう可能性があるため避けたほうがいいでしょう。
女性
スーツを着用している方は、そのままのスタイルで問題ありません。オフィスカジュアルスタイルの場合は、シャツやブラウスにジャケットをはおり、スラックスやスカートを合わせた装いがおすすめです。カラーはブラックやホワイト、グレー、ネイビー、ブラウンといったベーシックな色味を選ぶと、落ち着いた印象を与えられます。納会は華やかなレセプションやパーティーではないため、ドレスや着物、光沢のある素材やキラキラした小物類は控えたほうが安心です。
納会の開催事例
企業が開催した納会の事例を2つ紹介します。
1.株式会社VOLLECT
同社では例年、社員旅行を実施していましたが、事業拡大により全員が参加できなくなってきたことから、誰もが参加しやすい企画として納会を新たに開催しました。特に、時短勤務中や子育て中の社員でも気軽に参加できるよう配慮されました。
納会のプログラムは、全体集合・部署ごとの記念撮影を皮切りに、社員の幼少期の写真を用いたクイズ、この1年の出来事に関する問題、腕立て伏せ対決、ビンゴ大会など、バラエティに富んだ内容でした。
「メンバーの意外な一面を知る」「チームワークやエンゲージメントを高める」という2つのコンセプトのもと企画され、部署や年代を超えた交流が生まれる、満足度の高い納会となりました。
参考:【2023年納会レポ】一年の感謝を込めて〜VOLLECT一大イベントの企画から実施まで全て見せます!│社内イベント
2.日立製作所
日立製作所では、コロナ禍以降、社内表彰式と納会をオンライン+オフラインのハイブリッド形式で開催しています。2024年度の実施では、「ファンウォール機能」と呼ばれるオンライン参加者の表情を会場スクリーンに映す仕組みを導入。さらに、会場の映像を全社員へライブ配信することで、リアル・オンライン両方の参加者に一体感のある納会が実現しました。
納会は可能な限り全員参加で開催したいイベントですが、社員の業務状況や家庭の事情により、会場に来られないケースもあります。こうした場合には、オンラインとリアルを組み合わせたハイブリッド型納会が効果的です。
参考:日立製作所、一部の社内表彰式、納会をVCPでハイブリッド開催│株式会社ブイキューブのプレスリリース
ハイブリッド・オンライン納会の運営術
実際の企業事例にもあったように、遠隔拠点や在宅勤務の社員も含め、全社員が一体感を感じられるオンラインを活用したハイブリッド納会もおすすめです。初めて導入する企業でもスムーズに進行できるよう、機材やツール選定から演出アイデアまでを具体的に紹介します。
必要機材・ツールリスト
- Web会議用カメラ+スピーカー:会場全体を映せる広角レンズ対応のものを用意しましょう。複数設置で画角を分散すると、遠隔地からの視認性が向上します。
- 大型スクリーン&マイクセット:会場内の声やオンライン参加者の声を相互にクリアに伝えるため、高出力スピーカー内蔵のマイク・アンプ付きがおすすめです。
- オンライン投票・Q&Aツール:PolleverywhereやSlidoなどを使えば、リアルタイムでアンケートやクイズ、Q&Aを実施できます。
双方向コミュニケーション演出アイデア
- バーチャル背景コンテスト:参加者全員がオリジナル背景を設定し、ベスト3をオンライン投票で決定します。優勝者には社長賞や社内ポイントを贈呈し、一体感を演出します。
- デジタルビンゴ大会:ビンゴカードはウェブ上で配布し、当選番号は会場スクリーンと同時表示しましょう。進行役がオンライン画面と会場を行き来しながら盛り上げます。
- 「拍手タイム」を二画面ライブ:会場の様子をリアルタイムでオンラインに配信し、オンライン参加者の映像を会場スクリーンにも投影します。表彰や乾杯など特定のシーンで一斉に拍手し、お互いの拍手音をマイクで拾う演出が効果的です。
これらの機材選定と演出を組み合わせることで、物理的な距離を感じさせない参加体験を実現できます。ハイブリッドならではの工夫を取り入れて、全社員が「参加して良かった」と感じる納会を目指しましょう。
納会の会場には「IKUSA ARENA」がおすすめ!
納会の会場選びでは、参加人数の収容能力や交通アクセスの良さ、プログラム実施に必要な設備の有無など、多くの条件をクリアする必要があります。希望に合う会場が見つからず、選定が難航することも少なくありません。
そのようなときには、イベント会場「IKUSA ARENA」の利用がおすすめです。1000㎡を超える広々としたスペースにはメインステージや音響・照明設備が完備され、納会の実施にぴったりです。駅から徒歩約10分とアクセスも良好で、ケータリングサービスによる食事提供も可能です。大人数の納会にも柔軟に対応できます。
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さらにIKUSAでは、納会を盛り上げるアクティビティも多数用意しています。
格付けバトル
目の前に出された複数のアイテムの中から、最も高価な品を当てる体感型クイズゲームです。五感を使って楽しむことができ、プロのMCが進行するため幹事もリラックスして参加できます。
謎解き脱出ゲーム
謎を解きながら制限時間内の脱出を目指すチーム戦アクティビティです。コミュニケーションが自然に生まれ、年代問わず楽しめます。
クイズ大会
社内情報や社員に関する内容を取り入れたオリジナルクイズで、盛り上がりや一体感を演出できます。チーム戦にすれば交流促進にも効果的。上位チームに家電や商品券などの景品を用意するとさらに盛り上がるでしょう。
まとめ
納会は、今年を振り返るとともに、労うことで来年へのモチベーションを高める大切な社内イベントです。食事や歓談だけでなく、工夫を凝らした企画やアクティビティを取り入れることで、参加者同士の交流が促進され会場の雰囲気もより活気づきます。
幹事にとっては準備や進行などやるべきことが多くありますが、今回紹介した事例やアイデアを活用しながら、誰もが楽しめる納会を目指しましょう。
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