ステージデザインとは?重要性やプロセス、トレンドについて解説

2025.7.16

ステージデザインとは、イベントやパフォーマンスにおいて、ステージの空間演出で視覚的に観客に訴える技術です。

本記事では、ステージデザインについて、その重要性やプロセス、活用シーンやトレンドについて解説します

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ステージデザインとは

ステージデザインとは、イベントやパフォーマンスの際に使われるステージや装飾の設計です。演出の意図やテーマに基づき、舞台やイベント空間を視覚的に構成・演出します。

ステージデザインは、舞台美術とも呼ばれ、観客の視覚に訴える演出の要です。またそれと同時に、出演者やスタッフが使いやすいように機能的な設計も実現させる必要があります。

ステージデザインの要素

ステージデザインの主な要素は、以下の通りです。

  • レイアウト

ステージデザインの構成には、レイアウトの要素が重要です。ステージの奥行き、高さ、動線、演者の配置などを考慮して、舞台のレイアウトを設計します。レイアウトでは、限られたスペースの有効活用が求められます。

レイアウトは全体の雰囲気に大きく影響するため、テーマの一貫性が重要です。また、イベントの世界観を表現することで、イベントへの没入体験にも大きな役割を果たします。

  • 背景・セット

背景・セットは、背景パネルや柱、壁、家具などの舞台装置や装飾などを指します。物語の世界観や、出演者のコンセプトに合わせてつくられ、イベントや演目のメッセージを伝える役割も担います。

  • 照明・映像・ビジュアルエフェクト

ステージデザインを構成する要素には、照明・映像・ビジュアルエフェクトも肝心です。光や映像プロジェクション(プロジェクションマッピング、LEDなど)との連動により、動的な演出を加える役割です。華やかさを加えられ、イベントの非日常感やテーマに沿った雰囲気の醸成ができます。

  • 音響や特殊演出

音響や特殊演出もステージデザインを構成する主な要素の1つです。音響や、煙・火花・香りなどの特殊演出を行うことで、より没入感のある体験を生み出します。

ステージデザインの重要性

ステージデザインは、物語やコンセプトを視覚情報として伝え、演出する効果があります。効果的なステージデザインは、観客をイベントへと没入させ、満足感を高められます。演者が動きやすいセッティングや、観客が見やすいデザインにすることで、イベントやパフォーマンスの質を高められるでしょう。

ステージデザインで視覚的な魅力が高まることで、メディア露出の際の影響力が増し、プロモーションに良い影響を与える効果も期待できます。

そのため、ブランドイメージの強化や伝えたいメッセージを明確化させたい場合には、ステージデザインに注力しましょう。

ステージデザインのプロセス

ステージデザインは、以下の7つのプロセスで進めます。

1.ヒアリング

まず、演出家やイベント主催者、アーティストなどから、企画のコンセプトや意図をヒアリングします。ヒアリングで行いたい確認事項は以下の通りです。

  • イベントの種類
  • ターゲット層
  • ブランドや世界観
  • 予算、納期、会場の規模

2.コンセプト設計

次に、コンセプト設計を行います。ヒアリングした内容を実現させるために必要な要素をリサーチし、全体のイメージを可視化させます。ラフスケッチやイメージボードを作成し、どこに何を配置するか決めましょう。

コンセプト設計は、チームやクライアントと方向性を共有する大切な段階です。

3.デザイン図面制作

コンセプト設計が完了したら、デザイン図面の政策をします。デザイン画面制作では、実際に施工できるよう、具体的な設計図を作成しましょう。3DCGを作成できるソフトウェアなどのツールを適宜用いて、平面図や3Dイメージを作成します。

このフェーズでは、参加者目線の快適さを一番に考慮し、デザインすることが重要です。

4.調整・施工準備

デザインの図面が完成したら、各チームとの調整・施工準備に移ります。デザインを形にするためのリハーサルや実際の施工に備える段階です。音響や照明、美術などの技術チームと、セクションごとの確認や連携を行います。

また、舞台装飾の強度や安全基準などの確認、搬入・施工スケジュールの確認、演者の動線チェックなどを実施します。

5.施工・リハーサル

実際の会場で、デザインの施工とリハーサルを行います。本番を想定したリハーサルでは、照明や音響の連携・調整や、舞台転換のタイミング、出演者の動線の確認をしておきましょう。

背景・セットが問題なく設営されているか、出演者が転倒しやすい箇所がないかなど、安全面の確認もしておく必要があります。

6.本番・撤収

イベント当日は、リハーサル通りに進行しているか確認し、適宜フォローに入ります。舞台セットに不備がないか、混乱しているスタッフがいないか気を配りましょう。進行に支障をきたす問題が発生した場合には、プログラムを変更したり、人員配置を変更したりするなど、臨機応変な対応が求められます。

イベント終了後は、原状回復も含めステージの撤去を行えるよう、余裕を持ったスケジューリングをしておきましょう。

7.振り返り

イベント本番開催後は、振り返りをすることも大切です。スタッフやクライアント、観客の意見を参考に振り返りを行い、次回に活かしましょう。あらかじめアンケートを準備し、回答しておいてもらえると、スムーズで効果的な振り返りができます。

ステージデザインに求められるツールやスキル

ステージデザインをするにあたり、必要なツールや求められるスキルを紹介します。

ステージデザインに用いるツール

ステージデザインには、場面によりさまざまなツールを用いて進めていきます。

フェーズ

目的

ツール例

企画構想

イメージ共有

スケッチ、CanvaPinterest

設計・作図

正確な形や寸法の表現

VectorworksSketchUp

シミュレーション

光や映像の確認

Resolume

施工準備

スムーズな進行

DropboxGoogle Drive、施工図

チーム連携

情報共有・進行管理

SlackNotionTrello

 

ステージデザインに必要なスキル

ステージデザインに求められるスキルは、以下が挙げられます。

デザイン力

ステージデザインでは、アイデアを形にするデザイン力が求められます。また、舞台セットを行う際には、建築や工学の知識を活かして安全な設計を行うことが必要です。

コミュニケーション力

コミュニケーション力も、大切なスキルの1つです。ステージデザインは演出家、照明、映像、音響、舞台監督、美術スタッフなどたくさんの職種との連携が重要です。

クリエイティブな力とデザインの技術、安全への配慮、コミュニケーション力など、さまざまなスキルがバランスよく求められる仕事といえるでしょう。

問題解決力

ステージデザインをするにあたって、問題解決力も求められるスキルの1つです。舞台の設計から当日の運営まで、予算やステージ規格など、限られた条件のなかで、最適なデザインをする柔軟な思考や解決力が求められます。

また、ステージデザインの仕事の過程では、予期せぬトラブルが発生することがあります。そのため、トラブルに対して冷静に対応し、その場に応じた解決策を考えられる力が求められます。

ステージデザインのシーン

ステージデザインが活用される現場は多岐に渡ります。ここではそのシーンについて紹介します。

劇場

ステージデザインは、演劇などを執り行う劇場で活用されます。劇場のステージデザインでは、主に登場人物の背景や時代設定、感情を「空間」として表現します。観客の想像力をデザインで補完し、物語の世界に没入させる効果が期待できるでしょう。

劇場の舞台では、転換が多い場合もあり、可動式・多機能なセットが重宝されます。ストーリーに寄り添った世界観の構築が求められ、場面に応じたセットや小物が必要になります。

コンサート、ライブハウス

コンサートやライブハウスでのステージデザインは、視覚的なインパクトが重要であり、音楽と連動した「演出の一部」としての役割が求められます。

大規模な会場では、舞台構成と照明・映像との連携が必須です。出演者が動き回ることも想定されるため、ステージの高低差、動線、安全性への配慮も必要です。

近年ではフルLEDステージや、野外フェスのような巨大ステージなど、求められる要素が多岐に渡ることも特徴の1つです。

テレビ、映画

テレビや映画におけるステージデザインでは、カメラ映えを意識した立体感・奥行き・照明設計が求められます。ステージの雰囲気が映像に強く影響するため、色や質感のコントロールが重要視される分野です。

バーチャルセットやグリーンバックと組み合わせる現場もあり、他のステージデザインにはない技能が求められるでしょう。

企業イベント・展示会

企業イベントや展示会でのステージデザインでは、ブランド・製品コンセプトを「空間」として演出する狙いがあります。他のステージデザインと違って、新製品という「見せたい対象」が明確であることが特徴です。

Appleの製品発表会が代表例で、シンプルで洗練されたステージデザインは、企業や製品イメージに直結しています。記憶に残るブランド体験の提供やプレス・来場者への印象付けをし、SNS拡散への仕掛けづくりが大きな目的の1つです。そのため、写真・映像での拡散を意識したビジュアル性が重視される傾向があります。

体験型施設

体験型施設は、チームラボのプロジェクションマッピングに代表される、観客が体験できるイベント施設のデザインです。没入できる世界観の設計が重要で、観客が能動的に移動・体験することを前提とした構造になります。

体験型施設のステージデザインでは、まるで物語のなかに入り込んだような感覚を、ステージデザインで表現します。そのため、造形力・照明・音響・香り・映像を融合させた総合演出が求められます。

ゲーム・メタバース

ゲームのなかの世界の地形や建物などの背景グラフィックをつくります。ほかのステージデザインとは系統が異なりますが、ステージデザインの一種です。

ゲームのなかの季節や時間の変化を、景色の移り変わりで表現します。また、落とし穴や隠し通路などのギミックを活用し遊び心のある仕掛けを搭載しながら、プレイヤーが楽しめるステージを用意します。

クリエイティブな発想に加え、スタートからゴールまでのテンポやメリハリ、難易度など、プレイヤーへの細かい配慮が求められるのも特徴です。

ステージデザインのトレンド

ステージデザインのトレンドを一部紹介します。

SNS映えを重視

SNS映えを重視したステージデザインは、トレンドの1つです。イベントでは、来場者が写真を撮って拡散する前提でデザインされるケースが増えています。拡散がイベントの広報に直結するため、観客の気持ちを動かす演出・要素が重要です。ステージデザインにおいても、単なる空間演出ではなく、「写真を撮りたくなる」「シェアしたくなる」「目を引く、映える背景になる」という視点が重要視されます。

そのため、InstagramTikTokXなどのSNSで、写真や動画として見栄えが良く、多くの人の関心を集めるようなビジュアル的魅力が求められる傾向があります。

SNS映えを重視したデザインの要素は以下が挙げられます。

照明

カラフルなLED、ネオン、シルエット効果

映像に立体感とインパクトを与える

背景装飾

ロゴウォール、フォトブース、花やアート装飾

記念写真の背景としてシェアされやすい

色使い

明快なカラーコントラスト、グラデーション

スマホ画面でも目立つ

動き

ライトが反応する床、ミラー、映像投影

動画映え(リール・TikTok)に強い

空間設計

来場者が「入り込める」「囲まれる」構図

没入感と映えるポジションを両立

ただし、「映える」を意識するあまり、テーマやブランドとの親和性を置き去りにしてしまうと、イベントの主旨が達成されない可能性があるため、注意しましょう。

没入感をつくる

没入感とは、観客が物語や空間のなかに入り込んだような感覚を得ることです。没入感を上手に演出できれば、来場者にとって、より印象に残るイベントにできるでしょう。没入感を作り出す要素としては以下が挙げられます。

空間の一貫性

舞台・照明・衣装・小道具まで世界観を統一

観客が「現実」と切り離されやすくなる

照明設計

ライブ照明、色温度変化

時間や感情の流れを視覚的に体感させる

映像

LEDスクリーンやマッピング

背景が変化・移動することで世界に引き込まれる

音響

環境音、立体音響、定位スピーカー

「音がその場所から聞こえる」感覚をつくる

特殊効果

スモーク、風、香り、触覚演出など

五感への刺激が空間リアリティを補強する

ただし、これらの演出にこだわりすぎると情報量が多くなり、参加者が疲弊する可能性があるため注意しましょう。

サステナビリティに配慮する

ステージデザインのトレンドとして、サステナビリティに配慮することも大切です。大規模イベントや短期間で解体されるセットが多いステージデザインでは、環境負荷を減らしながら質の高い演出を実現する工夫が求められています。

それぞれの部品をつなぎ合わせることで、汎用的な活用ができるモジュール式セットを使ったり、塗装ではなく布を使うなどして資材の再利用をしたりするアイデアが挙げられます。

また、LED照明や太陽光発電で電力を賄う設計も環境に配慮できる演出方法です。サスティナブルに配慮することで環境を守るだけでなく、主催側のイメージ向上やメディアで取り上げられる効果も期待できます。

ステージを用いたイベントの事例

とある企業では、社内の一体感を醸成するため、運動会や縁日、クイズ大会など、一日を通じてさまざまなアクティビティを楽しめる社内イベントを実施しました。

当日は派手な演出がしたいという意図から、ステージのスモーク演出から始まる開会式を実施。続く社内運動会へ気持ちが高まる走り出しとなりました。

社内運動会、縁日ケータリング、「格付けバトル」になぞらえたクイズ大会などで、社員同士の交流を深めたイベントは、一日を振り返るフォトムービーがステージに流され締めくくられました。

イベントの始まりと終わりでステージ演出を活用し、イベントをより印象的なものにする工夫が凝らされました。

事例の詳細は、こちらの記事をぜひご覧ください。

「運動会・格付けバトル・クイズ大会・縁日ケータリング」某上場企業様

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IKUSA ARENAは、東京都練馬区にあり、池袋駅や新宿駅などのビッグターミナルからアクセスがよいレンタルスペースです。1000㎡を超えるスペースは、イベントやパーティー、セミナー開催などさまざまな用途で活用できます。

14.6m×縦4.2mの大型ステージには、吊り下げ式130インチスクリーンを完備し、全色調光可能な照明、音響で演出が可能です。ムービングライトや銀テープや紙吹雪を飛ばすキャノン砲などのオプション演出プランもあり、華やかな演出も実現できます。1年前から予約でき、先の予定でも事前に会場を押さえられるため、安心して企画を進められるのも強みです。

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まとめ

ステージデザインは、イベントやパフォーマンスの際に使われるステージの設計や装飾で、テーマに基づき、舞台やイベント空間を視覚的に演出します。ステージデザインは多職種との連携や技術が求められ、高度で専門的な分野といえます。

クオリティの高いステージを実現させるには、IKUSA ARENAのようなレンタルスペースのパッケージプランもおすすめです。会場選びと合わせて、イベントづくりもサポートしてほしいとお考えの方は、ぜひ一度株式会社IKUSAへご相談ください。

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この記事を書いた人

IKUSA ARENA編集部
IKUSA ARENAは、池袋から25分、新宿から35分の都内イベント施設です。700名以上収容可能な本施設は、音響設備やスクリーンを完備しており、運動会や懇親会、音楽イベントなど、さまざまな用途でご利用いただけます。