試写会の企画例10選!先行上映・舞台挨拶との違い、企画手順を紹介

2025.7.16

試写会は、映画作品や一部の映像作品の公開に先立ち、宣伝やマーケティング効果を高めるために開催されます。試写会を企画・開催するには、対象とする参加者の選定や会場の手配、告知・宣伝など、さまざまな準備が必要です。

本記事では、試写会の概要や先行上映・舞台挨拶との違い、企画手順、企画例10選をそれぞれ紹介します

和モダンな内装、500人規模のアクティビティスペース、配信・演出設備が揃ったリーズナブルな東京のレンタル施設「IKUSA ARENA」

⇒「IKUSA ARENA」の情報をまとめた資料を受け取る

試写会とは

試写会とは、主に映画の公開前に開催される特別な上映会で、一般公開に先駆けて一部の観客に向けて作品を披露するイベントです。多くは作品の認知度向上や口コミ効果を狙ったマーケティングの一環として行われます。来場者の反応をもとに宣伝戦略を練ることもでき、メディアへの露出やSNSでの話題化を通して、公開前から作品の魅力を伝える貴重な機会となります。

試写会の主な種類

以下の表は、試写会の主な種類とその特徴をまとめたものです。目的や対象者、内容に応じて最適な形式を選ぶことが、効果的な試写会運営につながります。

種類

主催者例

主な内容

一般試写会

  • 映画配給会社
  • 映画館など
  • 抽選、先着順、SNS応募などで選ばれた一般参加者

無料での作品上映。トークイベントやサプライズ登場が企画されることもある。

プレミア試写会

  • 配給会社
  • 報道関係者
  • スポンサーなど
  • 報道関係者
  • 映画関係者
  • インフルエンサー
  • 一部の一般参加者

監督や出演者による舞台挨拶や記念撮影、インタビューなどが行われる。

オンライン試写会

  • 映画配給会社など
  • 事前申し込み、または抽選による一般参加者

自宅での視聴が可能。期間限定公開で、トーク配信付きの場合もある。

 

先行上映・舞台挨拶との違い

試写会と似た形式のイベントに、先行上映や舞台挨拶があります。いずれも映画公開前後の重要なプロモーション活動ですが、それぞれの目的や対象者、タイミングには明確な違いがあります。以下の表に、三者の違いをまとめました。

種類

実施時期

主な目的

対象者

主な内容

試写会

公開前(数か月前)

  • 観客の反応を集め、口コミで話題化する
  • 一般参加者(抽選、招待)
  • 報道関係者
  • 関係者など

上映+トークイベントやサプライズ企画がある場合も。無料・招待制が中心。

先行上映

公開直前(前日~数日前)

  • 作品を早く届ける
  • ファンへの感謝を伝える意味合い。
  • 一般参加者(チケット購入)

チケット制の通常上映。上映のみでトークイベントは行わないことが多い。

舞台挨拶

公開直前または公開日当日。

  • 出演者や観客の言葉でPRする。
  • 一般参加者
  • 報道関係者
  • 招待客など

キャストが登壇し、トークを通じて作品をアピールする。上映とセットの場合もある。

試写会の企画方法

ここからは、実際に試写会を開催するまでのステップを順を追って紹介します。ターゲットや目的を明確にし、丁寧な準備を行うことが、成功につながります。

1.目的の明確化

まずは「なぜ試写会を開催するのか」という目的をはっきりさせましょう。宣伝、ファンとの交流、作品への反応収集、関係者向けの披露など、目的によって招待対象や開催スタイルが異なります。SNSでの話題化やメディア掲載を狙う場合は、インフルエンサーや記者の招待も有効です。

以下の視点で整理しておくと、企画全体がスムーズに進行します。

  • 試写会のゴール(例:SNSでの拡散、観客の反応調査、販売促進)
  • 招待対象(例:コアファン、地元住民、報道関係者)
  • 試写会の位置づけ(例:メディア向け、ファン感謝イベントなど)

2.日程・会場を決める

試写会の開催時期は、作品公開の1か月前が多く、なかには2か月前から開催されることもあります。遅くとも公開の1か月前までには日程を確定し、余裕を持って準備に取りかかりましょう。会場は以下のような選択肢があります。

  • 映画館
  • 貸し会議室・ホール
  • 区民センター・公共施設
  • 自社スペースやイベントスペース
  • オンライン

上映スタイルや設備、収容人数、交通アクセス、予算など、複数の要素を検討しながら、最適な会場を選びましょう。

3.予算の策定

開催にかかる費用を見積もり、収支計画を立てます。主な費用項目は以下の通りです。

  • 会場費
  • 機材レンタル費(スクリーンや音響、照明など)
  • スタッフや技術者の人件費
  • 広報費(広告掲載やSNS広告など)
  • 飲食費や参加特典(任意)

無料試写会の場合は、費用全額を主催者またはスポンサーで負担することになります。早い段階で協賛企業やパートナーと連携をしましょう。

4.招待状の作成・送付を行う

招待形式の試写会では、情報が分かりやすく正確に伝わる招待状・案内状を用意しましょう。記載すべき主な内容は以下の通りです。

  • タイトル・作品概要
  • 日時・会場住所・アクセス方法
  • 応募方法・期限・当選連絡手段
  • 撮影禁止などの注意事項(例:録音・録画の禁止)
  • 参加特典や同時開催イベントの案内

紙のDMSNS投稿、メルマガ、チラシなど配布方法も、ターゲットによって使い分けましょう。

5.広報活動を行う

広報は集客だけでなく、映画の認知度を高める大きなチャンスです。以下の手段を活用しましょう。

  • 試写会情報サイトへの掲載
  • 自社SNSYouTubeでの紹介動画
  • 映画専門メディアや情報誌での告知
  • SNSキャンペーン(ハッシュタグ拡散、投稿でプレゼントなど)

イベント終了後も、参加者の投稿のシェアやハイライト動画の公開など、継続的な発信で話題を広げましょう。

6.運営準備を進める

当日のスムーズな進行のために、以下のような準備を進めておきます。

  • タイムスケジュールの作成(受付・上映・トーク・終了時刻など)
  • スタッフ配置図や役割表の作成
  • 会場レイアウト・動線設計
  • 進行台本の作成(登壇ありの場合)
  • 機材チェックとリハーサル
  • 緊急時の対応マニュアル(トラブル・体調不良・遅刻対応など)

試写会は作品の宣伝手段として柔軟なアレンジができます。ここでは、実際に行われたユニークな試写会の企画例を紹介します。

試写会+交流イベント

Spotify主催の、映画「スージー・サーチ」の試写会では、上映後に参加者と制作側が直接交流できるアフタートークを設けました。参加者が制作者に質問や感想を伝えられる場があることで、作品への理解や共感が深まり、SNSでの拡散効果も大いに高まりました。

このような交流型試写会は、ファンとの距離を縮めるうえで有効です。さらに、制作者と直接話せる環境は、参加者の満足度を高めるだけでなく、今後の作品制作へのフィードバックにもつながる機会となります。こうした双方向コミュニケーションを行うことで、ファンの熱量をさらに高める効果もあるでしょう。

参考:Spotifyによるポッドキャスターのためのコミュニティ支援活動事例:映画『#スージー・サーチ』試写会&交流会レポート|Spotify Japan

試写会+体験演出

試写会に体験型の演出を取り入れる方法もおすすめです。会場では物語に登場する空間を再現したフォトスポットや小道具の展示、キャスト衣装のレプリカなどを設けると、来場者が作品の一部になったような没入感を味わえます。さらに、舞台挨拶で登壇者がキャラクターになりきるなど、エンタメ性の高い演出が加わることで、印象に残る試写会となるでしょう。

また、こうした演出は参加者の五感を刺激し、映画の世界観に深く入り込む体験を提供するため、口コミやSNSでの拡散において効果的です。実際に体験した感動がリアルに伝わることで、新たなファン獲得にもつながるでしょう。

試写会+屋外上映

映画「国宝」のジャパンプレミアは、京都で開催された特別な屋外試写会です。公開に先駆け、豪華キャストや監督が登壇し、舞台挨拶と本編上映が行われました。撮影地・京都での開催により、作品の世界観を五感で体験できる演出がなされ、抽選で選ばれた350名限定のプレミアムなイベントとして話題を呼びました。天候対応や本人確認など、屋外開催ならではの細やかな配慮もなされています。

参考:映画『国宝』ジャパンプレミア 開催決定!|TOHO

試写会+ロケ地

ロケ地で試写会を行い、地域住民や関係者を招待すれば、映画と地元のつながりを感じさせる特別な体験となります。上映後のトークや特産品提供などは、地域活性化や観光促進にもなります。

こうした地域連携型の試写会は、単に作品の宣伝にとどまらず、地方創生やコミュニティ活性化の手段としても注目されています。地元の特産品や文化を絡めることで、参加者の満足度や思い出深さも一層高まるでしょう。

参考:映画「サンセット・サンライズ」完成披露試写会 潜入レポート!|気仙沼さ来てけらいん

試写会+限定グッズの配布・抽選企画

来場者に非売品グッズやキャストサイン入りアイテムを配布、または抽選プレゼントを行うことで、参加者の満足度と話題性を同時にアップできます。SNS投稿による自然な拡散も期待でき、作品のファン層拡大や口コミ促進に役立つでしょう。

試写会+ワークショップやトークイベントの併催

映画のテーマに沿った専門家による講演やワークショップを試写会とセットで開催する企画は、映画鑑賞にとどまらず、参加者の学びや興味を深める機会にもなります。

例えば、環境問題や教育、社会課題などを扱った作品の上映後に、その分野の専門家を招いてトークイベントやワークショップを実施することで、映画の内容をより深く理解できるだけでなく、質疑応答を通じて新たな視点を得られます。また、参加者同士の意見交換の場も設けることで、コミュニティ形成やネットワーキングのきっかけにもなるでしょう。

こうしたイベントは、教育機関やNPOなどが主催する試写会にもぴったりで、社会的意義が高くメディアの注目を集めやすい点もメリットです。

参考:【終了しました】1/12(日)「マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド」特別試写会+汐見稔幸&深津高子トークイベント|カフェスロー

参考:【映像系学生限定】『方舟にのって〜イエスの方舟45年目の真実』特別試写会&ドキュメンタリスト特別ワークショップ、東京会場に10名様をご招待!|D会議室

試写会+SNSキャンペーン連動

試写会とSNSキャンペーンを組み合わせたプロモーションもおすすめの企画です。公式SNSアカウントのフォローや指定投稿のリポスト、ハッシュタグ投稿などを応募条件とし、抽選で試写会へ招待する形式が一般的です。さらに、SNS上で感想やコメントを投稿することで当選確率が上がる仕組みや、参加者限定の特別企画を設けるケースも見られます。こうした企画は、映画公開前から話題を喚起し、ファンの熱量や認知度の向上につながります。

参考:映画『遺書、公開。』完成披露試写会に40組80名様をご招待!公式SNSにてキャンペーン開催中!【東京開催】 | 映画『遺書、公開。』

参考:クロスワードに答えて映画『星つなぎのエリオ』を見に行こう!| 太陽ホールディングス株式会社

試写会+飲食コラボイベント

映画の舞台やテーマに合わせた特別メニューやドリンクを提供する飲食コラボ企画です。参加者は上映前後に映画の世界観を味覚でも楽しめるため、より深い没入感が生まれます。特に食文化や旅をテーマにした作品で効果的な企画です。

また、地元食材を使ったメニューや限定カクテルなどを提供することで、話題性や満足度の向上にもつながります。食と映像の融合により、五感を刺激する体験型イベントとなるでしょう。

参考:文喫 六本木で映画「アイスクリームフィーバー」とのコラボイベントを開催 千原徹也×安達祐実を迎え試写会も実施!|PRTIMES
試写会+ファンアート展示コンテスト

ファンが制作したイラストや映像作品を会場に展示し、来場者による投票を取り入れたコンテスト形式にすることで、参加意欲を高め、ファン同士の交流を促進します。クリエイティブな要素を取り入れたこのような企画は、作品への愛着を深めると同時に、SNS上でのシェアや話題拡散にもつながりやすくなります。参加者自身がイベントに関わることで、試写会は単なる上映の場を超えた体験やコミュニティ形成の場として発展するでしょう。特にアニメやゲームなど、ファンの創作活動が活発なジャンルでおすすめの企画です。

試写会+コスプレ

試写会とコスプレを組み合わせた企画です。来場者が作品にちなんだ仮装で参加し、写真撮影や交流を楽しみます。なかには、主催者側がコスチュームのプレゼントやSNS投稿キャンペーンを実施するケースもあります。こうした企画は、ファン同士の一体感を高めるだけでなく、SNSでの拡散や話題作りにも効果的です。

また、映画祭やアニメイベントの一部では、試写会とコスプレコンテストを同時開催する事例も見られます。これにより、コスプレイヤーやファンが作品の世界観を体験しながら、映画のプロモーションにも貢献しています。

試写会の会場は「IKUSA ARENA」がおすすめ!

試写会の成功には、映像や音響設備の充実、観客収容可能なスペース、快適な客席配置など、会場選びが重要なポイントとなります。IKUSA ARENAには高性能スクリーンとプロジェクターをはじめ、クリアな音響設備や多彩な照明システムが完備されており、作品の魅力を最大限に引き出せます。最大700名以上を収容できる広々としたスペースもあるため、大規模な試写会の開催にも対応できます。

さらに配信機材も整っているため、現地での上映と並行してオンライン試写会を開催できます。特設ステージや控室も備えているため、登壇者によるトークイベントや舞台挨拶もスムーズに実施可能です。

アクセスも良好で、最寄り駅から徒歩10分程度の利便性も魅力です。都心で設備の整った会場を探している企画者におすすめです。

和モダンな内装、500人規模のアクティビティスペース、配信・演出設備が揃ったリーズナブルな東京のレンタル施設「IKUSA ARENA」

⇒「IKUSA ARENA」の情報をまとめた資料を受け取る

まとめ

試写会は作品の宣伝やマーケティングを目的とした重要なイベントです。一般向けの応募制試写会から報道関係者向けのプレミア試写会まで、規模や対象、企画内容は多岐にわたります。成功させるためには、どの層をターゲットにし、どのような体験を提供したいかを明確にすることが必要です。また、企画の工夫次第で参加者の記憶に残る特別な体験を作り出し、SNSや口コミによる宣伝効果を最大化できます。

試写会は幅広いアイデアと工夫で可能性が広がるイベントです。ぜひ、今回紹介した事例やポイントを参考に、魅力的な試写会を成功させてください。

和モダンな内装、500人規模のアクティビティスペース、配信・演出設備が揃ったリーズナブルな東京のレンタル施設「IKUSA ARENA」

⇒「IKUSA ARENA」の情報をまとめた資料を受け取る

この記事を書いた人

IKUSA ARENA編集部
IKUSA ARENAは、池袋から25分、新宿から35分の都内イベント施設です。700名以上収容可能な本施設は、音響設備やスクリーンを完備しており、運動会や懇親会、音楽イベントなど、さまざまな用途でご利用いただけます。