ファンミーティングとは?メリット・デメリットや事例を紹介

「ファンミーティング」と聞くと、アーティストやアイドル、芸能人とそのファンが、直接交流できるイベントを思い浮かべる人が多いでしょう。もちろんこれもファンミーティングですが、最近は、企業やブランドが開催するファンミーティングもあります。
本記事では、企業のファンミーティングとはどのようなイベントなのか、メリット・デメリットと、実施する流れ、ファンミーティングを成功させるためのポイント、ファンミーティングの事例と、ファンミーティングにおすすめの会場として「IKUSA ARENA」を紹介いたします。
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ファンミーティングとは
企業が実施するファンミーティングとは、企業やブランドとそのファンが、直接交流できるイベントのことです。
そもそもファンとは、どのような人たちのことをいうのでしょうか。「ファン」は、「熱狂的な」を意味する英単語であるファナティック(fanatic)を略した言葉です。つまりファンとは、特定のものや人物を熱く支持する人や、熱心な愛好家などを指します。企業の場合は、顧客のなかでも、愛着を持って自社のブランドや製品・サービスを使い続けてくれている人や、信頼して支え続けてくれている人が、ファンということになります。
ファンミーティングは、そのような自社のファンを対象としたイベントのことです。内容はさまざまですが、たとえば開発者と直接交流する機会を設けたり、工場見学を実施したりするケースなどがあります。
ファンミーティングの目的
では、ファンミーティングは何のために実施するものなのでしょうか。ファンミーティングの主な目的(期待できる効果)としては、以下の2つが挙げられます。
LTVを向上させる
LTVとは、Life Time Value(ライフタイムバリュー)の頭文字をとった言葉です。日本語では、「顧客生涯価値」といいます。これは、「一人の顧客が自社と取引を始めてから終了するまでにもたらされる総利益」を表す言葉です。
多くの製品やサービスが市場にあふれている現代は、競合との差別化が難しくなってきています。また、情報収集はインターネット検索やSNSで行うことが当たり前という時代になりました。以前のように、直接営業をかけて新規顧客を獲得するということが難しくなってきているのです。そのため、企業のマーケティングにおいては、LTVの向上が重視されるようになってきています。
顧客が自社のファンになってくれると、商品やサービスを1回だけでなく繰り返し購入してくれるようになります。取引期間が長くなるほど、LTVも向上します。ファンを増やし、関係を強化することで、企業としては安定した収益が得られるのです。ファンミーティングは、そのための手法の1つです。
新規顧客の獲得につなげる
ファンが、クチコミサイトやSNSで、自社の製品やサービスの情報を発信してくれることもあります。その情報を見て興味を持ち、初めて購入してくれる人もいるかもしれません。最近は、このようなファンからの発信・拡散が新規顧客の獲得につながるケースが増えています。
本来、売りたい製品やサービスをアピールするためには、広告費がかかります。しかしこのようなケースであれば、ファンは自発的に情報を発信してくれているので、企業としては広告費がかかりません。ファンを大切にすることで、コストをかけずに新規顧客を獲得できる場合もあるというわけです。
LTVの向上を図りながら、新規顧客の獲得も狙えるというのが、ファンミーティングの特徴です。
ファンミーティングはファンマーケティングの手法の1つ
ファンを増やし、ファンとの絆を深めることで自社のビジネスを成長させていこうとする取り組みは、「ファンマーケティング」と呼ばれています。ファンミーティングは、このファンマーケティングの手法の1つです。
ファンマーケティングには、他にも以下のような手法があります。
SNSの活用 | X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを活用する手法です。企業名やブランド名、商品名などでアカウントを作り、情報を発信したり、ファンと交流したりします。 |
ファンコミュニティ | オンライン上にファンが集まって交流できるファンコミュニティを構築する手法です。交流を通じて、熱心なファンがライトなファンを育ててくれるといった効果も期待できます。 |
モニター体験 | ファンにモニター体験に参加してもらうという手法です。実際に商品を利用してもらうことで、理解を深めてもらうことができます。 |
ライブコマース | ライブ配信で商品を販売するという手法です。著名人やインフルエンサーに依頼するケースもあります。 |
プロモーションイベントやセミナーとの違い
顧客向けに、プロモーションイベントやセミナーが開催されることもあります。これらのイベントは、顧客に最新情報を提供することや、製品・サービスの認知度向上、販売促進を主な目的としています。
これに対してファンミーティングは、企業とファン、ファン同士が直接交流することに重きを置いています。先ほど紹介した通り、ファンとの絆を深めて、LTV向上や新規顧客の獲得につなげることが目的です。
ファンミーティングのメリット・デメリット
ファンミーティングには、メリットとデメリット(注意点)があります。ファンミーティングを実施することを検討しているなら、その両方を理解しておきましょう。ではここからは、ファンミーティングのメリットとデメリットを詳しく見ていきます。
メリット
企業とファンが直接交流できるというのが、ファンミーティングの最大のメリットです。ファンミーティングを実施することで、ファンの声を直接聞くことができ、ニーズをより深く理解できるようになるでしょう。それを反映した製品やサービスを提供できれば、ファンとの関係をより強化できます。
顧客と交流したり、情報を発信したりする方法は他にもありますが、不特定多数の顧客を対象とした方法では、発信できる情報も限定されてしまいます。ファンミーティングは、その名の通りファンだけを集めて行うイベントですので、ファン向けの内容の濃い情報発信や交流が可能です。この点も、ファンミーティングのメリットです。
ファンミーティングは、ファンだけを対象とした特別なイベントです。実施するなら、ファンが特別感を得られるような内容を考えましょう。たとえば、一緒に新商品を考える企画を実施する、開発者と交流できる機会を設けるなども一案です。ファンに特別感を与えることができれば、ファンはより強い愛着を持ってくれるようになるでしょう。
デメリット
ファンマーケティングは、取り組みを始めてすぐに効果が出るものではありません。「信頼」や「愛着」は、そう簡単に強まるものではないからです。ファンマーケティングの1つの手法であるファンミーティングも、一度実施するだけでは、あまり効果は期待できません。そのため、定期的に実施する必要があります。
しかし、次項で詳しく解説しますが、ファンミーティングを実施するには多くのことを準備しなければなりません。これには、時間も労力もコストもかかります。定期的に実施するとなると、この負担が常に発生することになります。この点は、ファンミーティングのデメリットといえます。
ファンミーティング実施の流れ
では、ファンミーティングを実施するためには、どのような準備が必要なのでしょうか。ここからは、ファンミーティングを実施するための準備からイベント終了までの流れを紹介します。
1.ターゲットを設定する
まずは、ファンミーティングのターゲットを設定します。一口に「ファン」といっても、ライトなファンやコアなファン、積極的にSNSなどで情報を発信してくれるファン、ひそかに応援してくれているファンなど、さまざまなファンがいます。ファンミーティングの目的や内容、規模などに合わせて、ターゲットを設定しましょう。
たとえば、ファンミーティングのなかで新商品の発表も行うなら、ターゲットは「商品に強い関心を持っているファン」が考えられます。ファンミーティングを通じてファンを増やすことを狙うなら、「最近自社の商品を使い始めた人や、関心を持ち始めた人」がターゲットになるでしょう。
そして、できればざっくりとしたターゲットだけでなく、ペルソナを設計することをおすすめします。マーケティングにおけるペルソナとは、自社の製品・サービスを利用する典型的なユーザー像のことです。年齢や性別、居住地、職業、家族構成、趣味、価値観など、まるでその人物が実在するかのように、細かく情報を設定します。ペルソナを設計することで、具体的にどのような内容のイベントにすれば喜んでもらえるのか、企画を立てやすくなります。
2.イベントの方向性を決める
ターゲットが決まったら、次はイベントのテーマやコンセプトなどを決めていきます。
テーマとは、そのイベントの主題です。ファンミーティングを通じて何を実現したいのか、何をファンに伝えたいのか、という観点で考えてみるとよいでしょう。そしてコンセプトとは、そのテーマを実現するための具体的な切り口やアプローチを指します。
テーマとコンセプトを明確にすることで、自然とイベントの形が見えてきます。
3.イベントを告知し、参加者を集める
せっかく魅力的なファンミーティングを企画しても、誰も来てくれなければ意味がありません。イベントの企画が決まったら、告知をして参加者を集めましょう。
イベントを告知する方法としては、以下のようなものがあります。
- SNSで情報を発信する
- 自社のホームページやブログで告知する
- メールマガジンを配信する
- ダイレクトメール(DM)を送る
- チラシを配布する
- イベント告知サービスを活用する
- インフルエンサーに告知してもらう など
より多くのファンに足を運んでもらうためには、ターゲットに合う方法で告知することが大切です。
4.当日はスケジュール通りイベントを進行する
ファンミーティング当日は、スケジュール通りにイベントを進行します。
流れは内容によって異なりますが、オープニングでは、まず主催者から歓迎の挨拶と自己紹介をするのを忘れないでください。最初は参加者も緊張しているはずなので、簡単なアイスブレイクを行うなどして、リラックスして楽しめる雰囲気を作りましょう。そして、メインのプログラムは参加者が積極的に参加できるもの、特別感を得られるものとします。
また、参加者に満足してもらうためには、演出も工夫する必要があります。当日滞りなく進行できるよう、リハーサルは入念に行っておきましょう。
5.イベント終了後はアフターフォローを行う
ファンミーティングは、実施して終わりにしてはいけません。効果を最大にするためには、アフターフォローが重要です。
具体的にすることとしては、まずファンミーティングに参加してくれたファンにメールを送り、感謝を伝えます。イベントの振り返りや写真、さらに今後のイベントの情報なども添えられるとよいでしょう。このメールを送ることで、ファンは「大切にされている」と感じることができますし、次回のイベントへの参加意欲も高められます。
そして、メールにはアンケートのリンクも添付しましょう。後日、アンケートの結果と、それを踏まえて企業として何をしていくのかを公開すれば、ファンとの関係をより強化できます。
ファンミーティングを成功させるためのポイント
ファンミーティングは、ファン(またはこれからファンになってほしい人)に喜んでもらえるようなイベントにしなければ、効果は得られません。企画をする際は、まずファンをしっかりと分析することが重要です。自社にはどのようなファンがどのくらいいるのか、なぜ自社の商品を購入してくれているのか、何を求めているのかなどを、細かく分析しましょう。
そして、ファンミーティングのイベント自体はうまくいったとしても、お伝えしたようにファンミーティングは、一度実施しただけで効果が得られるものではありません。定期的に実施する必要がありますので、一度目のファンミーティングが終わったら、ファンからのフィードバックを活用して、次回のファンミーティングを早めに計画しましょう。
また、ファンと継続的な関係を構築するためには、コミュニケーションをとり続けることが大切です。紹介したように、ファンマーケティングの手法はファンミーティング以外にもありますので、他の手法も合わせて行うことも検討してみてはいかがでしょうか。
ファンミーティングの事例
ファンミーティングの事例として、株式会社ヤッホーブルーイングが2025年5月17日、18日に実施した「よなよなエールの超宴」というイベントを紹介します。
株式会社ヤッホーブルーイングは、クラフトビールの製造・販売を行っている企業です。「よなよなエールの超宴」は、豊かな自然のなかでクラフトビールを味わいながら、音楽やおいしい食事を楽しめるというファンイベントで、群馬県の北軽井沢スウィートグラスで開催されました。
参考:超宴2025 | よなよなエール公式ウェブサイト「よなよなの里」
このイベントの始まりは、2010年にスタートした「よなよなエールの宴」というファンイベントでした。最初は株式会社ヤッホーブルーイングのスタッフと約40人とファンが、一緒に飲み会をするというイベントだったそうです。そして、チケットは発売から3分で売り切れてしまうほどの人気イベントとなり、年々規模を拡大し、2015年からは「よなよなエールの超宴」として野外ビールイベントをスタートさせました。2018年の同イベントには、約5000人が集まったそうです。
参考:【2025年版】「よなよなエールの超宴」とは?おすすめの楽しみ方をご紹介! | よなよなエール公式ウェブサイト「よなよなの里」
ファンミーティングの会場をお探しなら「IKUSA ARENA」
東京都内でファンミーティングの会場を探しているなら、「IKUSA ARENA」も候補に入れてみてはいかがでしょうか。東武練馬駅から徒歩10分の場所にある、大規模イベントスペースです。
エントランスは、和モダンでフォトジェニックな空間になっており、SNS映えすること間違いなしです。音響や照明などの設備も充実しています。特別感のある演出を、きっと実現できるでしょう。
会場を運営する株式会社IKUSAでは、イベントを幅広くサポートしていますので、イベント実施に関するお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
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まとめ
ファンマーケティングの手法の1つ、ファンミーティングについて解説しました。ファンミーティングは、ファンとのつながりを強化し、LTVの向上につなげることが主な目的です。また、ファンがSNSなどで情報を発信してくれれば、新規顧客の獲得につながる可能性もあります。
ファンミーティングを成功させるためには、ファンを理解し、ファンのニーズに沿った内容を企画することが重要です。まずはファンを分析し、ペルソナを設定したうえで内容を考えてみてください。
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